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2011年4月号掲載記事

「痛み」と東洋医学

鍼やお灸、マッサージでなぜ痛みが和らぐのか、様々な研究がなされていますが、まだまだわからないことだらけです。

よく言われるのが、痛みを鍼灸やマッサージの別の刺激で抑えるという説や、その刺激によってモルヒネのような鎮痛物質が分泌して脳に働きかけるというものです。

また最近の研究では鍼をうった個所から末梢性の鎮痛物質が出て痛みを和らげるということもわかってきました。

鍼灸など東洋医学の鎮痛作用はひと通りではなく、いろいろな作用が絡み合っているのでしょう。

西洋医学ではなかなか説明が難しいのですが、東洋医学では「気血の流れを調整して鎮痛する」ということでしょうか。

 

痛みと深い関係があるのが血行です。血行が悪くなると痛みが増します。

腰痛や肩こりなど慢性の痛みがあると筋肉はずっと緊張しっぱなしで、血行が悪くなります。血行が悪くなって組織が酸素不足になるとプロスタグランジンという物質ができ、血管を広げたりしてすみやかに血行を良くしようとします。しかし実はこのプロスタグランジンは痛みを引き起こす物質でもあります。

マッサージは血行を良くすることで痛みを和らげます。血行を良くすれば先ほどのプロスタグランジンが出てくる必要がないからです。

お風呂や軽い運動も血行を良くするので痛みを和らげることができます。しかしマッサージや温めることが痛みに良いのは慢性痛に限ります。怪我など急性の痛みなのに血行を良くしてしまうと腫れてしまい、ますます痛くなることもあるので注意が必要です。

 

ところで消炎鎮痛剤というものはプロスタグランジンが作られないようにする薬です。プロスタグランジンは痛みもまねきますが体が治ろうとして出す重要な物質でもあります。痛みがさらに筋肉を緊張させ血行を悪くする痛みの悪循環を断ち切るために一時的に使うなら効果的ですが、長期で使うことは治る力を奪うことにもなるかもしれません。

他にも痛いところを「さする」ことは傷ついた神経回路を修復する効果があるといいます。以前テレビで動かなくなった手足を愛犬がペロペロなめ続けて動くようになったという話をやっていました。「さする」という「手あて」の力です。

今回の大地震で被災し、いろいろな痛みに苦しんでいる方々に、人の手と温かいお風呂などで少しでもその痛みが和らぐ日が早く来ますように。。。

最賀鍼灸整骨院

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