医療情報
C型肝炎検診を受け肝臓がんを予防しましょう
C型肝炎ウイルスに感染すると、そのうち30〜40%は急性肝炎を起こすだけの一過性感染で治癒しますが、残りの60〜70%は慢性化してしまいます。
C型慢性肝炎のうち、自然治癒するのは約2%に過ぎず、15年の経過で40%が肝硬変に、さらに15年の経過で肝硬変の約半数が肝臓がんへと進展します。また5%は、30年の経過で、肝硬変を経ずに直接肝臓がんへ移行してしまいます。
すなわち、C型慢性肝炎の人の4人に1人が、将来肝臓がんになってしまうのです。
C型肝炎は治療できる病気です
C型慢性肝炎から肝臓がんに移行させないために、インターフェロン治療によって、早い段階で、肝炎ウイルスを体から排除する必要があります。
インターフェロン治療は、効果が低い、きつい、医療費が高い、などの理由で敬遠される患者さんも多いのですが、2000年代になってからインターフェロン治療は劇的に変化しています。
現在では、患者さんに合わせた種類、量のインターフェロンを使うことで、副作用はかなり軽減されています。またインターフェロンの効果を高める飲み薬も併用できるようになり、かつてはインターフェロンがほとんど効かなかったタイプのC型肝炎に対しても、6割の治癒率が得られるようなっています。
今や、C型肝炎は治癒できる病気なのです。
治療費の公費助成が受けられます
一昨年前より、インターフェロン治療に関して、医療費助成制度が始まっております。通常インターフェロン治療には、自己3割負担で、医療費が毎月6万円程度かかりますが、この医療費助成制度を用いると、原則、自己負担1万円(所得により2万円になる場合もあり)で治療が受けられるようになります。
肝臓がんにならないために肝炎ウイルス検査を受けましょう
肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、簡単な血液検査でわかります。
当院では、いつでも検査を受けることができます。予約等の必要はありません。
目黒区では、保健センターにおいて肝炎ウイルス(B型、C型)検査を無料で行っておりますし、6月からは40歳以上の方で、過去に肝炎ウイルス検査を受けた事がない方などを対象に、区内医療機関において無料で肝炎ウイルスの検査が受けられます。
いままで肝炎ウイルス検査を受けたことのない方や、過去に輸血等を受けた事がある方は、この機会に肝炎ウイルス検査を実施されることをお勧めします。
C型肝炎のウイルスは、血液を介して感染します。
感染の契機としては、かつては輸血、予防接種の注射器の使いまわし、非加熱血液製剤の使用によるものでしたが、現在問題となっているのは、不衛生な施設でのピアスや入れ墨、そして覚せい剤の注射器による感染拡大です。