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2009年09月号掲載記事

大腸がんが増えています

増えている大腸がん

大腸がん(直腸がん、結腸がん)になる人が、急激に増えており、2001年には年間10万人を越え、2020年には胃がん、肺がんを抜いて日本人のがん罹患率第一位のがんになると予測されています。

大腸がんは男女とも40歳を過ぎると急に増え始めます。

大腸がんは早期に発見するほどたすかります

大腸がんの生存率は、がんの広がりの程度によって大きく異なります。

大腸がんの広がりの程度の分類(Dukes分類)と、それぞれの手術後の5年生存率(括弧内)は以下のとおりです。

表1 デュークス分類
デュークス A (95%) がんが大腸壁内にとどまるもの
デュークス B (80%) がんが大腸壁を貫くがリンパ節転移のないもの
デュークス C (70%) リンパ節転移のあるもの
デュークス D (10%) 腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

がんが大腸壁内にとどまる早期の段階で発見することが、いかに大切であるかがおわかりいただけるとおもいます。

便潜血検査を受けましょう

目黒区の検診などで行われている便潜血検査は、大腸からの出血を診断する検査法です。大腸がんの組織はもろいので、正常粘膜に比べて出血しやすいため、便に血液が付着している場合には大腸がんの可能性が高いことがわかっています。

便潜血検査が陽性の方から大腸がんが見つかる確率は5%程度、内視鏡検査をすると、20人に1人大腸がんみつかります。

しかし、便潜血検査で陰性になってしまう大腸がんも30%程度あり、早期がんほど出血しにくく、便潜血検査にひっかからない可能性が高いのです。

大腸内視鏡検査を受けましょう

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内側を直接観察する検査法です。

便潜血反応で陽性だった方や、下血や血便、便が細くなるといった自覚症状のある方は、必ず受けてください。便潜血検査ではひっかからないような、早期の大腸がんも発見することができます。

大腸がんの多くは進行が遅いので、一度検査を受けて異常のなかった方は、自覚症状がなければ毎年実施する必要はありません。

米国では大腸がんで命を落とさないための大腸内視鏡検査の実施間隔として、「5年に一度」を推奨しています。

大腸の良性腫瘍

大腸の早期がん

大腸進行がん

当院では大腸内視鏡検査を毎日実施しております。