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2007年12月号掲載記事

「つめクリップ」による陥入爪(巻き爪)の治療をはじめました

陥入爪(巻き爪)は 足の親指に最も多く、爪の両端が皮膚に食い込んで痛みます。ひどい場合は感染を起こして膿や出血を伴います。日常はさほど症状が無い人でも、無理のあるハイヒールや革靴で過ごした後に痛みを感じ赤くはれることもよくあります。

軽いものでは出来るだけ爪を切らずに清潔を心がけるだけで改善しますが 重症になると外科的な治療が必要になります。

爪の切り方が悪かったり、 足に合っていない靴を履いていることが原因ですが、当院では爪みずむしや糖尿病を合併していることによって悪化している患者さんが多くいらっしゃいます。

爪が皮膚に食い込むことを避けるための治療としては、形状記憶合金の小さな板を爪に貼って爪の湾曲を矯正する方法や、爪に穴を空けてワイヤーを通し、爪を起こして食い込まないようにする方法、シリコンやアルミのプレートを爪と皮膚の間に挟む方法などがあります。

外科的治療として、爪の食い込む部分を根元から剥離してしまい、新しく伸びてこないように皮膚を薬品で処理してしまう方法もありますが、爪の幅が細くなってしまうデメリットがあります。

陥入爪の治療は健康保険が使えないので、費用が高いのも難点です。

当院では「つめクリップ」を使った新しい陥入爪の治療法をはじめました。

つめクリップ」は大阪府の形成外科、うえむらクリニックの植村冨美子先生が考案された新しい治療法で、陥入爪の表面からばね力の強い金属で作ったクリップを装着し、クリップが戻る力で陥入爪を起こします。従来の形状記憶合金のプレートを貼る方法とワイヤーを通す方法の、いいところをあわせもっています。固定もテープを貼るだけなので、患者さん自身で取り外しができ、クリップは何度でも使えます。

費用は1箇所2000円(クリップ代)で、これまでの治療法に比べてとても低価格です。

軽症の陥入爪であれば、「つめクリップ」で十分治療が可能ですし、爪に傷を残すことはないので、他の治療法を行う前に、「つめクリップ」治療を試してみることをおすすめいたします。

つめクリップ」による陥入爪治療をご希望の方は、クリップが装着できるように、指先から爪が出るぐらい爪を伸ばしてから、ご来院ください。