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2013年3月号掲載記事

認知症

認知症は誰もがなりうる病気です

誰でも歳とともに記憶力が低下するものですが、生活に支障が出る程ではありません。必要に応じてメモをとることなどでトラブルを防げます。ところが認知症の患者さんはそのような工夫すら難しくなります。

前日何を食べたかを思い出せなくても、なにかヒント(食事をした時の状況など)があると思い出せる、というのが一般的な物忘れです。それに対して認知症の患者さんはヒントがあっても思い出せず、食事をしたこと自体を忘れてしまうようになります。

やがて生活に必要な記憶も失われてしまい、以前なら当たり前のようにできたこと、例えば食事や入浴、排泄が一人では困難になることもあります。

認知症の初期症状

認知症の初期には、次のようなサインが表れることもあります。

  • 物の置忘れ、しまい忘れが増えた
  • ごく最近の出来事も忘れてしまう
  • 趣味や家事をしなくなる
  • 料理の味がおかしくなる、レパートリーが減る
  • リモコンや電化製品が使えない
  • 話のつじつまがあわない
  • 物忘れすることを認めない
  • 同じことを何度も尋ねる
  • 親しい人の名前が出てこない
  • 同じものを買ってくる
  • よく鍋を焦がす
  • 約束の日時や場所を間違える
  • 本やテレビの筋を追えない

該当するものがあるなら、かかりつけ医に相談を!!

アルツハイマー型認知症の治療

アルツハイマー型認知症の治療薬には、脳の神経と神経のつながりをよくする働きがあります。

脳の機能を発症前の状態まで回復させることは難しいのですが、お薬を継続して使用することで、記憶障害などの症状の進行を遅らせることが期待できます。

貼り薬もあります

治療薬には、錠剤やゼリーといった飲み薬だけでなく、貼付(パッチ)製剤もあります。

パッチ製剤は患者さんが薬を使用しているか否かを周囲の人が目で見て確認できることや、血液中の薬物濃度が少なく安定した効果が期待できること、皮膚から吸収されるので食事の有無やタイミングに関係なく使用できるといったメリットがあります。

また、消化器症状などの副作用で、飲み薬を飲めなかった方、治療を中断してしまっている方も、貼り薬で治療を継続できる場合があります。