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2007年6月号掲載記事

はしか

はしかは発熱、咳、はなみず、のどのいたみといった風邪症状が初発症状です。症状が出て、2日後ぐらい、熱が下がったかなとおもったころ、再び高い熱とともに特有の皮疹が全身に広がります。

皮疹が出て、はしかを心配して受診される方が増えていますが、発熱などの風邪症状を伴わない皮疹がはしかである可能性はほとんどありません。

当院の状況は、確実例が二人で、18歳と23歳の女性です。二人とも子どものときに予防接種を受けているとのことですが、かかってしまいました。

予防接種を受けていればかからないはずなのですが、接種して免疫ができなかったか、免疫力が落ちてしまった可能性があります。

予防接種による免疫は、接種後に身体にウイルスが入ってくることによって強まりますが、30代以下の世代でははしかの流行を経験したことがないので、予防接種をした後に、ウイルスに接していないので、免疫が徐々に落ちてきているのです。免許をとってから一度も運転したことのないペーパードライバーみたいな感じかな。

はしかの免疫があるかどうかは、採血検査で、はしかのIgG抗体を調べればわかります。当院でもすぐ調べることができます。

IgG抗体を調べて免疫がない、または低下している方は、予防接種を受けたほうがいいかもしれません。

はしかの予防接種は、現在風疹との混合ワクチン(MRワクチン)が公費接種になっており、はしか単独のワクチンはたいへん品薄です。当院でもストックが少ないので、ご希望の方はお早めにご連絡ください。

なお、現在の小学校1年生以下の子どもは公費でMRワクチン2回接種(1歳、6歳)になっていますが、2年生以上は1歳のときにはしか、風疹を別々に1回接種しかしていないのが普通です。したがって2年生以上の小学生は、1年生以下に準じて、はしか単独ワクチンではなく、MRワクチンを接種されたほうがいいかもしれません。

当院では、はしかのワクチンは自費4000円、はしか風疹混合ワクチン(MRワクチン)は自費8000円で実施しています。

麻しん(はしか)ワクチン臨時予防接種の実施について

目黒区では小学2年生から高校生を対象に麻しんワクチンの臨時接種を行います。費用は無料です。区内在住の平成元年4月2日から平成12年4月1日生まれで、麻しんに罹ったことのないかた、予防接種を接種していない方や接種歴が不明な方です。

区立小・中学校に通う児童生徒には学校で申し込み用紙(予防接種記録票)が配布されます。その他の方は、区健康予防課(電話03-5722-9396)に直接申し込んでください。

予防接種記録票をご持参いただければ、当院にて無料で接種いたしますが、現在ワクチンの入荷量が少ないので、電話03-5704-0810までご予約をお願いいたします。

麻しん単独ワクチン接種が基本ですが、単独ワクチンは品薄のため、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種となる場合もありますが、風しんに罹ったことのある方にMRワクチンを接種しても問題はありませんので、ご安心ください。