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2013年9月号掲載記事

当院の内視鏡検査は特殊光による観察(NBI)を行なっています

NBIとは

NBI(Narrow Band Imaging)とは、内視鏡観察時に、血液中のヘモグロビンに吸収されやすいように波長を変えた(狭帯域化)光を照射することにより、消化管の粘膜表層の毛細血管や、微細な模様を強調して表示する機能です。

血管を高いコントラストで観察するために、(1)血液に強く吸収される、(2)粘膜表層で強く反射・散乱される、という特長を併せ持つ光の利用に着目し、粘膜表層の毛細血管観察用に青色の狭帯域光(390〜445nm)、そして深部の太い血管観察と粘膜表層の毛細血管とのコントラストを強調するために緑色の狭帯域光(530〜550nm)を使って、検査を行ないます。

がんの早期発見が可能に

がんの組織の表面には、通常には見られない異型な毛細血管が走行していることが多いのですが、表面の細い血管を、通常の光の元で肉眼で観察することは難しのです。しかし消化管の表層の毛細血管を強調して描出できるNBI観察を行なうことによって、これまでは発見するのが難しいがんの発見が可能になります。

特に咽頭がんや、食道がんの早期発見(写真1)や、大腸腫瘍の早期発見、悪性度の判断(写真2)に威力を発揮します。

NBI観察は、内視鏡のスイッチで光の波長を切り替えるだけなので、通常の内視鏡検査と全く同じ方法で受けられます。

当院では、内視鏡検査全例でNBI観察を行ない、消化管病変の確実な診断を目指しています。