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2009年2月号掲載記事

ヒブ(Hib)ワクチンの接種

Hib(ヒブ)髄膜炎とは

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Hib(ヒブ)髄膜炎は、生後3ヶ月から5歳になるまでの子供がかかりやすい髄膜炎で、毎年全国で約600人の乳幼児が罹患し、約5%が死亡、約25%に後遺症(発育障害、聴覚障害、てんかんなど)がみられるという、重篤な病気です。 日本では2000人に1人の乳幼児が、5歳になるまでにHib髄膜炎にかかっています。

「Hib」とは、「インフルエンザ菌b型」という細菌のことで、この時期に流行するインフルエンザウィルスとは全く別物です。このHibという細菌が、ヒトからヒトへ飛沫感染し、髄膜(脳や脊髄を覆う膜)に感染して起こるのがHib髄膜炎です。 Hib髄膜炎にかかると発熱、頭痛、嘔吐、けいれんなどの風邪のような症状がみられます。

Hib髄膜炎は初期症状が風邪と似ており、診断が遅れてしまうことや、治療も難しいため、死亡例や、後遺症を残してしまうことが、問題になっています。 このため開発されたのがHibワクチンで、現在までに120カ国以上で導入されています。

それらの国ではHib髄膜炎はすでに過去の病気となっています。

日本でも接種できるようになりました

当院でも希望者には接種を受付けております。現在のところ、ワクチンの製造数量が限られているので、予約してから1ヶ月程度お待たせする場合があります。接種回数、間隔は年齢によって異なります。

費用は1回接種につき7000円を予定しています。今のところ公費負担はなく、自費接種になります。

(注)Hibワクチン接種の副反応として、接種部位の赤みや腫れ、まれに発熱がみられますが、一時的なもので数日以内に消失します。また製造工程にウシ由来の成分が使用されていますが、海外で使用開始されてからワクチンが原因でTSE(伝達性海綿状脳症)にかかったという報告は現在までありません。