医療記事一覧

医療情報

2010年2月号掲載記事

眼底検査を受けましょう

当院では、糖尿病、高血圧、高脂血症でご通院中の患者さんには、合併症の早期発見のために、1年に一度程度の眼科受診を勧めておりますが、自覚症状のない病気だけに、なかなか徹底されていないのが現状です。しかしながら、糖尿病の患者さんで、気がつかないうちに網膜症が進行していて失明直前であった例や、目の症状をきっかけに糖尿病が診断された患者さんもいらっしゃることから、これからますます増えていく生活習慣病の患者さんの全身管理の手段の一つとして、眼底カメラを導入いたしました。

ただし、当院の眼底検査は簡易的なものであり、眼底全体を見ることはできません。目の症状のある方は、直接眼科を受診して、精密検査をお受けになることをお勧めいたします。

また、当院の眼底検査で異常が疑われた場合には、すぐに眼科専門医の受診を手配いたします。

眼底検査でわかる病気

眼底検査では、眼底の網膜、視神経乳頭、血管の状態、出血の有無を見ます。

網膜の血管を見ることで、高血圧による影響や動脈硬化の状態を直接知ることができます。

また、糖尿病の三大合併症の一つである糖尿病性網膜症は失明に至る病気ですが、初期には全く自覚症状がないため、早期に発見するためには眼底検査を定期的に受けることが大切です。

また網膜の中央部の、ものを見る感度の最もよい部分を黄斑部と呼びますが、この部分が変性する加齢黄斑変性が増えており、眼底検査で発見することができます。加齢黄斑変性では、視力低下やものが歪んで見えるなどの症状がみられます。

当院では無散瞳眼底カメラで、眼底検査を行なっています。瞳孔を広げる散瞳薬を使わないため、いつでも検査を行なうことができ、検査終了後すぐに自動車の運転や、お仕事に行かれることも可能です。

検査は簡単で、暗室でカメラの前に座って、レンズを見つめるだけ、痛みなどはまったくありません。

所要時間は両眼を撮影して、5分程度です。