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ご近所あら!さがし

ひもんやだより2010年7月号掲載

第27回 碑文谷彫

『碑文谷彫』ってご存じですか?

目黒区総合庁舎の南口ホールに、女性として初めて名誉区民に顕彰された岸田利女先生のお写真が掲げられています。

1956年に『碑文谷彫』を考案されたお方です。還暦を迎えられ、以後のご自分の人生を「ひとびとに与える」というお気持ちで、「与」と書き、その書を飾る額として、有り合わせの板にひまわりを彫って彩色したのが『碑文谷彫』の始まりです。その作品が評判となり、習いたいという人が多く、町会や学校のPTAサークルや老人クラブ、又招かれて水戸茨城会館婦人部にもご指導に通われました。やがて指導を受けたお弟子さんが北海道や九州などの転居地で教室を開き全国に広がりました。

『碑文谷彫』はお住まいの目黒区内の地名、先生が受洗された教会名から名付けられました。岸田利女先生は1996年,満百歳を目前に永眠されましたが、先生を慕って『碑文谷彫』を続けられた方々の中に山田婦み様がいらしゃいます。98歳で亡くなられるまで『碑文谷彫』のご指導にご尽力されました。その方の娘さんではじめは孫弟子でいらした山本尚(ひさ)様が引き続きこの目黒に生まれた木彫の普及に努めておられます。

中目黒の教室をお訪ね致しました。岸田先生の作品、山田先生、山本先生母娘二代の作品、どれも繊細でモダンな図案と鮮やかな色彩がマッチしてすばらしいものばかりです。「カステラやそうめんの空き箱など、身近にある材料に彫刻刀で彫りを入れ水彩絵の具で彩色します。だれにでもその人なりの作品が出来ます。廃材が美しく甦り、おかげで母娘とも楽しく歳を重ねてこられました。」とおやさしい笑顔の山本先生。

「初孫のお祝に友人から『碑文谷彫』の兜の作品をいただき、感激してお教室をのぞいたのが始まり・・・」と生徒のお一人橋本様。「私もここをのぞいて、魅力にひきつけられました」と砂山様、現在見事な牡丹の絵の大作に取り組んでおられます。

教室は横浜市日吉や静岡県の掛川市等にありますが、お近くの教室はごらんの通りです。

『碑文谷彫』

教室名場所代表連絡先(TEL/FAX)開講日・時間
碑文谷彫研究会中央町社会教育館さくらプラザ中央町2-4-18山本尚3713-4124月二回火曜午後1〜4時
田道いこいの家内目黒区自主クラブ教室目黒3-1-18市邨富士子3712-6874第二第四月曜午前10〜12時
八雲教室八雲2-15-2市邨富士子3717-8575第一第三木曜午前10〜12時
碑文谷彫同好会五本木住区センター中央町2-17-2宮田千鶴子3713-6356第二第四金曜午後1〜4時
中目黒教室中目黒3-20-11山本尚3711-5917第二第四水曜午後1〜4時