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ご近所あら!さがし

ひもんやだより2007年2月号掲載

第9回 手作りのお店 しいの実社

わたしが目下のところものすごくハマっているもの・・それは「しいの実社」のパンである。ご近所にこんなに美味しいパン屋さんがあったことを知らずに過ごしてきただなんて本当に損をしていた。

実はしいの実社のことは,7月号でご紹介したダイエー近くの焼鳥屋さん,鳥新さんからお聞きした。「あそこのぶどうパン,うめーんだよ。ぶどうがいっぱい入っててよぉ」というので絶対行きたくなった。場所がよく分からなかったのだが,これも11月号でご紹介した小野寺オリエンタルセラピーの小野寺先生が治療の帰りに地図を書いてくださったので迷わずに行かれた。ひもんやだよりの記者をしていて本当によかった。

私は無類のパン好きでパンにはうるさいつもりだが,ここのパンは抜群においしい。買いに行かずにいられない。3回の来店でポイントカードがいっぱいになってしまった。

2人の子供たちもあっと言う間に食べてもっと欲しいと大騒ぎするので驚いてしまった。子供の舌は正直だ。きっと自分の好みでない種類のパンでもここのパンならどれを選んでも満足するだろうと思える。

目黒郵便局から徒歩2分の「しいの実社」は,知的障害者の作るパンやクッキー、織物やクラフトを販売する施設である。すべての製品は施設利用者の方の手が入っている手作りの品だ。お店のマークに見覚えのある方も多いと思う。

目黒もえぎ会が母体となり2000年に認可を受けたのが社会福祉法人もえぎの会。「しいの実社」は,自閉症児の親たちが対応の難しいこの障害に対応の手立てを持つ職場を作りたいという思いから2002年に開設された作業場,「知的障害者通所授産施設」。「通所」とは,「入所」と異なり通勤してくること,「授産」とは仕事をするところだそうだ。しいの実社には現在区内から通う41名(定員は40名)が働いている。30代が多く,男女比は8:2。その半数以上の方が自閉症だそうだ。

授産種目は「フードファクトリー」(製菓・製パン),「クラフトスタジオ」(手漉き和紙など),「織物工房」,「受託作業部門」(ねじ入れ、「銀のさら」の箸入れ,しょうゆ入れなど),「モービルワーク」(清掃など)の5つ。売り上げの7割近くはフードだそうだ。

今年で就任1年目の施設長の渡邊さん曰く「障害者の作るものだから」ではなく「美味しいから。いいものだから」買ってもらえるような,よそに負けないような良質さを目指しているそうだ。それにしてもこのとびきり美味しいパンの秘密は?と聞くと,前職でパン屋さんだった方の力と利用者の方と一緒に丁寧に作っているからだそうだ。現在30〜40種類ある全商品を天然酵母で作っている。もちろんイースト菌で作るパンよりも仕込みや焼き,酵母の様子など手間がかかり難しい作業になるが,繰り返し食べたくなる美味しさになっている。

しいの実社では発達障害を持つ人たちが閉鎖的になるのではなく住み慣れた地域で生きて行かれるように,余暇活動にも力を入れている。隔週土曜日にはカラオケや映画上映,近所のレストランなどでお昼を食べるなど,外に出て積極的に地域の方にも知ってもらおうと活動している。

パンや織物の購入以外にも,施設の見学も大々歓迎だそうだ。(できれば事前にお電話を)地上3階,地下1階の鉄筋コンクリートの施設はとても立派で食堂もついている。

パンは季節ごとに新しい商品を販売するそうなのでいつ覗いても楽しめそうなお店だ。働く人たちの工賃を少しでもあげてあげたい,という渡邊さんの願いを応援するためにも,ぜひしいの実社を探してみてほしい。

<もえぎの会後援会のお願い>

もえぎの会ではしいの実社の運営から,さらにグループホーム,居宅支援サービス等新たな事業展開を計る予定です。この事業展開を支えるためにぜひご入会ください。

後援会費1口1000円(年間)

入会申込書はしいの実社またはひもんや内科まで

しいの実社

<所在地>
〒152-0002 目黒区目黒本町2-7-3
TEL 03-5724-7153
FAX 03-3760-4193
<営業時間>
月曜日〜金曜日 10:00〜19:00

URL:http://moeginokai.jp/

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