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ご近所あら!さがし

ひもんやだより2008年6月号掲載

第16回 あいびぃ

患者さんからのご推薦で、近所でおいしいランチが評判の喫茶店「あいびぃ」にお伺いしてきました。

「あいびぃ」はひもんや内科を左に出て、目黒通りに向かって2つめの交差点、田向公園とマンション(グランシティ碑文谷)の角を右折した、右側にある喫茶店です。

ちょっとレトロな扉を押すと、木とレンガを贅沢に使った店内には、落ち着いた空気が流れていて、午後1時を過ぎているというのに、サラリーマンや、OLさん、そして近所の方たちで、カウンターは一杯でした。

さっそくランチをいただくことに。ランチは日替わりで3〜4種類、主菜のほかに小鉢・ご飯(おかわりサービス)・お味噌汁・お新香がついて、お値段700円。食後にはプラス250円で入れたてのコーヒーがつき、ほとんどのお客さんがセットで注文しています。

その日の主菜は、肉団子の甘酢がけ、肉じゃが、さんまの塩焼きで、私は肉団子を選びました。直径3〜4センチほどのお団子に、とろみのあるたれがかかっています。薄味の肉団子はしっとりとして口当たりがよく、酸味を抑えた甘酢たれが、くせになるおいしさ。ダシのきいたお味噌汁、家庭的な味です。

ランチを食べていると、カウンターのサイホンが沸騰し、コーヒーがスーッと落ちていき、食事を終えたちょうどよいタイミングで、よい香りとともに運ばれてきます。

コーヒーをご馳走になりながら、オーナーの奥山千保美さんにお話を伺いました。

「女性がひとりでも入れる喫茶店を」という思いで、30年前にご自宅を改装して「あいびぃ」を開店。宣伝は全くしなかったものの、お客は少しずつ増え、やがてお客さんからの要望で食事も出すようになり、今ではそのランチがメインになったそうです。

ランチに加え、近所の裁判所や消防署でお昼に外に出られないお客さんからの要望で、お弁当もはじめましたが、今のところ常連のお客さんの分を作るので精一杯なので、ご希望の方は要相談です。

奥山さんと3人のスタッフはみなさん家庭の主婦で、冷凍食品や加工済みの食材は使わない、材料は基本的に国産、味付けは薄め、「自分たちの家族が食べて、おいしいと感じられるもの」を心がけているそうです。安心できる素材を使い、調理には手間を惜しまず、良心的なお値段で提供する。「あいびぃ」の人気の秘密がわかります。

コーヒーは単品でも注文でき、350円。1杯ずつサイホンで入れた本格コーヒーをこの値段で提供するのはたいへんですが、コーヒーは喫茶店の顔、家庭とは違うおいしいコーヒーを飲みに来て欲しいとのこと。

「食べている人って、みんないい顔しているでしょう、それを見ているのが楽しみ」

「人と人とのつながりを大切にしながら、身体の続く限り仕事を続けていたい」

時間がしっとりと染み込んだカウンターを撫でながら、奥山さんはおっしゃいました。

あいびぃ

<所在地>
目黒区碑文谷2-8-20
TEL 03-3713-4833
<営業時間>
月〜金 朝10時〜夕方5時
<定休日>
土・日・祝日