ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
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2026年09月号掲載
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長寿は量より質を目指しましょう 令和7年「簡易生命表」より

令和7年(2025年)の「簡易生命表」が厚生労働省から発表されました。

「日本人の平均寿命 女性87.33歳 男性81.35歳 男女共に伸びる」みたいに報道されますが、自分は今70歳(男性)だから、あと11.35年生きられる、ということではありません。

平均寿命は令和7年に生まれた(0歳)人が平均何歳まで生きられるかの予測です。

令和7年の0歳男児の死亡率は0.00200でしたので、10万人のうち9万9800人が1歳になりました。1歳児の死亡率は0.00031だったので、同じ死亡率と仮定すると、1歳まで生き残った令和7年の0歳男児9万9800人のうち9万9770人が2歳まで生き・・・9万9574人が20歳まで・・・9万8377人が40歳まで・・・9万3387人が60歳まで・・・8万4453人が70歳まで・・・6万3561人が80歳まで・・・の計算を1人を切るまで続けて、令和7年に生まれた男児が平均何歳まで生きられるかを計算した数値が「平均寿命」=「0歳の平均余命」です。これはあくまで各年齢での死亡率が将来も令和7年と同じ、すなわち同じ自然環境、社会情勢、医療状況等であると仮定した場合の数字なので、将来の災害や戦争、感染症の流行予測や、医学や科学技術の進歩予測などは加味されていません。

この数字が男性81.35歳、女性87.33歳で、男性はスイス(82.4歳)、イタリア(81.774歳)に次いで暫定世界第3位、女性は1位(2位韓国86.6歳)です。

では、令和7年に70歳の男性があと何年生きられるか?

70歳男性の死亡率は0.01660なので、10万人あたり9万8340人が71歳になり、71歳の死亡率は0.01854なので、9万6517人が72歳になり・・・これを1人以下になるまで計算すると、70歳男性の平均余命は15.78年です。平均寿命との引き算11.35年よりも4年以上も長いのです。平均寿命を大きく超えた90歳の男性でも、なんと4.38年の平均余命があります。長生き出来ない人は淘汰されていき、生き残った人は更に長生きする、ということです。

「簡易生命表」では、別の切り口でも寿命を検討しています。

どのくらいの割合である年齢まで生きられるか、という見方をしてみると、

40歳まで生きられる男性は98.4%、女性は98.6%、65歳で男性89.9%、女性94.5%、75歳男性76.0%、女性88.1%、90歳男性26.7%、女性50.8%、95歳男性9.9%、女性26.4%です。

また、同じ年に生まれた人の数が半分になる年齢は、男性84.13歳、女性は87.33歳でした。

90歳まで生きる男性が4人に1人以上いる、女性は半数以上が90歳まで生きている、4人に1人は95歳まで、これは凄いですね。

でも、多くの高齢患者さんを拝見してきた経験から申し上げると、80代半ばを過ぎると骨粗鬆症が進み、筋力も低下し、また認知症で意思の疎通が難しくなってしまう方も多くみられます。その結果通院が困難になったり、自立した生活が出来なくなって、在宅診療や施設に入所される方が増えます。我が国は諸外国に比べて認知症や寝たきりの高齢者が多い、ということは、統計的に示されているわけではありませんが、よく言われています。

認知症になっても、寝たきりになっても安心して長生きできる医療、福祉体制のある我が国は素晴らしい、と言えるのかもしれませんが、医療や福祉に依存した長寿者が増えれば、若い世代にとって大きな負担となります。介護人材の不足が言われ続けていて、改善の見込みはありません。

長寿国日本がこれから目指すべきは、更なる寿命の延長ではなく、質の高い長寿だとおもいます。

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