2022年12月号掲載
!
新型コロナワクチン接種後の心筋炎・心膜炎について
心筋炎・心膜炎の主な症状は胸痛、呼吸苦で、運動や体の位置によって痛みや呼吸苦が強くなることもあります。
新型コロナウイルスやその他のウイルス感染は、心筋炎・心膜炎の原因となりますが、極めて低頻度(100万回接種当たり数十例)ではありますが、新型コロナワクチン接種後にも発症することが報告されています。
低頻度ではありますが、10代から20代の男性に多い傾向にあり、厚生労働省では注意喚起をしています。(図1)
しかし、ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎が重症化することはまれで、多くは10日程度で改善しますし、新型コロナウイルス感染による心筋炎・心膜炎の頻度よりも低いことから、ワクチンの接種自体は推奨しています。
ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎は、接種直後よりも、翌日から数日後から症状が出ることが多いので、ワクチン接種後に、胸の痛み、動悸、呼吸が苦しい感じがするなどの症状がございましたら、ご来院ください。
当院では、心電図検査、胸部レントゲン検査を行い心臓の状態をチェックし、必要に応じて採血迅速検査を追加して、心筋や心膜の炎症やダメージを評価した上で、心筋炎、心膜炎の可能性が高い場合には、専門医療機関に紹介しています。
ページ先頭へ