2021年10月号掲載
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新型コロナに感染した人は、ワクチン接種できるの?
新型コロナウイルスに感染した方もワクチンを接種することができ、現時点では通常通り2回接種します。
既にコロナウイルスに感染した人も、新型コロナワクチンを接種することができます※1。むしろ接種を推奨している国もあり、これは、このウイルスが一度感染しても再度感染する可能性があることと、自然に感染するよりもワクチン接種の方が新型コロナウイルスに対する血中の抗体の値が高くなることが報告されているからです。※2※3
治療内容等によっては、接種まで一定の期間をおく必要がある場合もありますので、いつから接種できるか不明な場合は、主治医にご確認ください。例えば、カシリビマブ/イムデビマブ(ロナプリーブ)の投与を受けた場合は、抗体が身体に残っている間はワクチンの効果が弱まる可能性があるので、CDCの見解(下記)を参考にすると、3ヶ月程度はあけることが望ましいでしょう。 また、隔離期間中は、感染性が十分低下していないので、外出はお控えください(濃厚接触者も同様)。
なお、事前に感染したかどうかを検査して確認する必要はありません。
また、感染歴のある方に接種すると、感染歴のない方に接種した時よりも、高い抗体価を得られた※4という報告はありますが、1回の接種で、十分な効果が得られるかどうかはわかっていません。一方、発熱といった全身性の副反応や、接種部位の痛みといった局所の副反応が、感染歴のない方と比べると高い割合で発現するといった報告もあります。※5
なお、米国CDCからは以下のような見解が示されています。
- 隔離を中止するための基準が満たされるまで延期する必要がある。
- 新型コロナウイルス再感染のリスクは感染後の最初数か月では低く、免疫力の低下により時間とともに増加する可能性があることが示唆されていることから、新型コロナウイルス感染症に最近罹患した人は、必要に応じてワクチン接種を一時的に遅らせることを選択できる。
- 加えて、モノクローナル抗体または回復期血漿での治療を受けた場合は、治療から少なくとも90日以降にワクチンを接種することが勧められる。
(参考資料)既感染者への接種について(第21回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
※1:CDC. Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 VaccinesCurrently Authorized in the United States
※2:Nature. 2020;586:594-599(COVID-19 vaccine BNT162b1 elicits human antibody and TH1 T cellresponses)
※3:N Engl J Med. 2021;384:80-82(Durability of Responses after SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccination)
※4:N Engl J Med 2021; 384:1372-1374(Antibody Responses in Seropositive Persons after a Single Dose ofSARS-CoV-2 mRNA Vaccine)
※5:Lancet. 2021 April, Epub(Vaccine side-effects and SARS-CoV-2 infection after vaccination in usersof the COVID Symptom Study app in the UK: a prospective observationalstudy)
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