2020年01月号掲載
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飲料別の胃食道逆流リスク 初の前向き研究
胸焼けなどの胃食道逆流症状を軽減するために、コーヒーや紅茶、炭酸入り飲料を避けることが推奨されるが、この推奨をサポートする前向き研究データはなかった。今回、米国マサチューセッツ総合病院のRaaj S. Mehta氏らが、前向き研究のNurses' Health Study IIで検討した結果、コーヒーや紅茶、炭酸入り飲料の摂取により胃食道逆流症状のリスクが26~34%増加し、水や牛乳、ジュースの摂取ではリスク増加がみられないことが示された。
著者らは、Nurses' Health Study IIで「習慣的な胃食道逆流症状がない」「がんではない」「プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬を服用していない」の条件を満たした42~62歳の女性4万8,308人のデータを収集した。飲料摂取と胃食道逆流症状リスクとの関連は多変量Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
- 26万2,641人年の追跡期間中に、胃食道逆流症状を週1回以上報告した7,961人の女性を特定した。
- 多変量調整後、各飲料について摂取量が最も多い女性(1日6杯以上)の最も少ない女性(1日0杯)に対する胃食道逆流症状のハザード比(HR)は、コーヒーで1.34 (95%CI:1.13~1.59、傾向のp<0.0001)、紅茶で1.26(95%CI:1.03~1.55、傾向のp<0.001)、炭酸入り飲料で1.29(95%CI:1.05~1.58、傾向のp<0.0001)であった。
- カフェインの有無で層別化しても同様の結果が得られた。
- 水、牛乳、ジュースの摂取と胃食道逆流症状リスクとの関連は認められなかった。
- 1日2杯のコーヒー、紅茶、炭酸入り飲料を水に置き換えた場合、胃食道逆流症状のHRはコーヒーで0.96(95%CI:0.92~1.00)、紅茶で0.96(95%CI:0.92~1.00)、炭酸入り飲料で0.92(95%CI:0.89~0.96)であった。
"原著論文 : Mehta RS, et al. Clin Gastroenterol Hepatol. 2019 Nov 28."
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