ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810
2019年07月号掲載
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もしかして、亜鉛不足かも?

亜鉛不足から起こる症状には次のようなものがあります。

味覚障害(味覚が鈍くなる、変な味がする)

亜鉛が不足すると、「味がわからない」、「本来の味ではない味がする」、「何も食べていないのにいやな味がする」、等の味覚障害が起きてきます。

口内炎

亜鉛不足で口腔内の免疫力や、たんぱく質合成能力が低下して、粘膜が弱くなることで、口内炎が起きやすくなります。

皮膚炎(床ずれが治りにくい、ひどいおむつかぶれ)

亜鉛が不足すると健康な皮膚が保てなくなり、皮膚炎やかゆみ等、さまざまな皮膚のトラブルが起きやすくなります。

キズが治りにくい

亜鉛が不足すると傷の修復力が低下し、傷が治りにくくなります。床ずれが治りにくく重症化する人には亜鉛不足が見られます。

食欲低下

亜鉛が不足すると消化管の働きが悪くなり、食欲が低下します。

脱毛

亜鉛不足で、毛根の周囲にトラブルが生じ、脱毛が起きます。円形脱毛症では亜鉛不足が多く見られます。

性腺機能障害

亜鉛が不足すると、精子の減少、性欲の減退等の症状が現れ、男性不妊症の原因になることもあります。

()感染性

亜鉛が不足すると免疫機能が低下するため、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。また感染に対する抵抗力も弱くなり、重症化したり、症状が長引く、繰り返し風邪を引く等の症状が出やすくなります。

発育障害

亜鉛は発育に関するホルモンの産生や働きに関わっているため、亜鉛不足により身長の伸びや体重の増加に障害が起こることがあります。

貧血

亜鉛は赤血球を作る働きに関係しているため、亜鉛不足の人は貧血になることがあります。

下痢

亜鉛不足で消化管の働きが悪くなることや、腸の粘膜の免疫機能が低下することから、下痢を起こしやすくなります。

骨粗しょう症

亜鉛は骨の生成に大きく関わっており、亜鉛が不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。

亜鉛不足はなぜ起きるのか?

亜鉛が足りなくなる原因としては、次のようなことが考えられます。

摂取不足

摂取する亜鉛の量が絶対的に足りない

吸収不全

食事等により摂取した亜鉛がきちんと吸収されない

需要増大

必要とされる亜鉛量が多くなっているのに、摂取量が足りない

排泄増加

便、汗等から過剰に排泄される

鉛不足はどうやって調べる?

亜鉛不足は、血液検査で調べることができます。健康な人の血清亜鉛(血液中の亜鉛)の基準値は、日本臨床栄養学会では80~130μg/dLとしていますが、血清亜鉛値は、一般的に午前中は高く、午後は低い傾向があるので、検査に際して、午前中に朝食を摂らずに測定することが望ましいです。

低亜鉛血症の治療

低亜鉛血症を治療するには、最初に食事療法を行います。食事療法で不十分な場合には、亜鉛補充療法(飲み薬で亜鉛を補充する治療)を行います。

1.食事療法

血清亜鉛値が低下していることがわかったら、亜鉛を多く含む食べ物を積極的に摂ることを心がけます。 推奨される1日の亜鉛の摂取量は、成人男性10mg、成人女性8mg(妊婦は+2mg、授乳婦は+3mg)です。 亜鉛を多く含む食品には、図(亜鉛を多く含む食品例)のようなものがあります。

2.亜鉛補充療法

血清亜鉛値が低く、食事療法だけでは不十分な場合は、亜鉛製剤(飲み薬)で亜鉛を補充する治療を行います。

亜鉛不足が心配な方は、ご相談ください。

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