ひもんや俳壇令和六年度
2025年1月号
令和六年度
ひもんや俳壇賞
三國 紀子
選
※「ミモザ会」は特別作品として選外とさせていただきました
大賞
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寒卵ひとつを割るに音みっつ畑山 則子日々の身近な出来事を良く捉えましたね。毎日の丁寧な生き方が目に浮かびます。
次席
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初暦めくれば一年走り出す津川 志津新暦をめくれば今年の出発。無事に過ごせる事を祈りながらの思いですね。
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短日や善きも悪しきも過去にして鈴木恵美子過ぎた日の良き思い出は大切に、捨てるものは捨て前向きにさせる句ですね。
ひもんや診療所・院長賞
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あと幾度飾るを思ひ雛納む安達久美子子供の頃から毎年飾っているお雛様。あと何度…と雛納。気持が伝わります。
秀作
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石段はこれで中ほど桜散る鈴木すすむ
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一本の寒梅をみな指さして苅野 玲子
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生みたての卵の温み走り梅雨長島 ちよ
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滝音が樹海の道しるべとなりて千葉ゆり子
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剪定の鋏の音に迷ひなし苅野 節子
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夕霧や峡より湧きて峡に去り渡辺 幸江
佳作
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秋の空日暮刻々色変へる村上 允子
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金の傘ひろげたるごと大銀杏戸上 和
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会ひたいな又数の減る年賀状藤原和歌子
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若者はスマホの中で花見かな木村 遊風
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木の葉舞ふ見上げる空は青々と山崎 浦子
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春時雨せせらぎの音濁りなし佐藤加代子
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たんぽぽの黄の一面のまん中に清水 悠子
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甘草の花の続くも旅なれば村田 時江
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蕗味噌の山路の香りなつかしく吉田 新子
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診察に呼ばれるまでの冬帽子赤坂ひろ子
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思ひ出の中に吹雪の一夜あり菊池 道江
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十薬の真白き花に今日も雨安達 一子
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山茶花にみちのくの空荒れやすく神 照子
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秋雨やプリンターの音夫の部屋藤田 静枝