ひもんや俳壇

一般投句

• 新緑や行き先決めず歩き行く

  畑山　則子
• 雨音や青葉に向かふエネルギー

  戸上　和
• 江戸川を立ち去る電車薄暑かな

  佐藤加代子
• 生みたての卵の温み走り梅雨

  長島　ちよ
• 甘草の花の続くも旅なれば

  村田　時江
• 残雪の富士に遺影を向けて旅

  木村　遊風

向原喜楽会

• 春寒し逢ふ人もなき朝散歩

  鈴木恵美子
• 豆撒きや子と拾ひたる頃のこと

  津川　志津
• 沈丁の香りほのかや散歩道

  藤原和歌子
• 姿よき古木となりて梅白し

  笹島美和子
• 蕗味噌の山路の香りなつかしく

  吉田　新子

竹の子会

• ハンガーにつるされし服春の風邪

  苅野　玲子
• 良寛忌越後三山覚めやらず

  渡辺　幸江
• みちのくやバスを待つ間の花吹雪

  千葉ゆり子
• あと何度飾るを思ひ雛納む

  安達久美子
• 剪定の鋏の音に迷ひなし

  苅野　節子

ミモザ会

• 緑蔭に少女の脱ぎし乗馬靴

  石橋万喜子

三國紀子

• 紫陽花の雨に流されさうな青

  三國　紀子