ひもんや俳壇

一般投句

• しゃぼん玉吹く子あと追ひこはす子と

  畑山　則子
• 沈むごと水に影濃し杜若

  佐藤加代子
• 墨堤に花の散り敷くあしたかな

  長島　ちよ
• 石段はこれで中ほど桜散る

  鈴木すすむ
• 新緑や草木となりてハイキング

  木村　遊風
• たんぽぽの黄の一面のまん中に

  清水　悠子
• 夜桜やまばゆい光池の面に

  村上　允子

向原喜楽会

• 竹馬の子も見ず羽子の音も聞かず

  鈴木恵美子
• 初暦めくれば一年走り出す

  津川　志津
• 逢ひたいな又数の減る年賀状

  藤原和歌子
• 笑ひ声重なり合ひし初電話

  笹島美和子
• 新ビルの目立つ麻布の初明かり

  吉田　新子

竹の子会

• 一本の寒梅をみな指さして

  苅野　玲子
• 名入りなる原稿用紙淑気満つ

  渡辺　幸江
• ミシュランのコース料理の女正月

  千葉ゆり子
• ほつほつと朱を覗かせて冬の梅

  安達久美子
• 乗初や向かひの席の晴着の子

  苅野　節子

ミモザ会

• しんがりの玉の雫の新茶汲む

  石橋万喜子

三國紀子

• 緑さす窓辺また文字たしかむる

  三國　紀子