ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810

ひもんや俳壇令和元年度

2020年1月号

令和元年度

ひもんや俳壇賞

黒澤三主寿 選
※「ミモザ会」は特別作品として選外とさせていただきました

大賞

  • 芍薬のくれなゐの芽の固きこと
    苅野 節子
    冬の間何もなかったところに、真紅の芽が群がり出ていた。「あ、芍薬。」と思わず触れて、その固さに対する小さな驚き。「芽の固きこと」で意外性がはっきりと出ていて、よろこびも伝わって来ました。

次席

  • 食卓の今日の主役は花菜漬
    譲原 節子  
    京土産かも、いや御自分で漬けられたも知れません。とにかく食卓にどんと花菜漬を出されたのでしょう。そのおいしいこと。これは確かに主役です。
  • 田の風へ開け放ちたる夏座敷
    仲島 信
    広い夏座敷である。古い農家かも知れない。見渡す限りのたんぼを渡ってくる風に戸を開け放つ。想像するだけでもいゝ気持です。

ひもんや診療所・院長賞

  • 皺増やし褒められてゐる干大根
    畑山 則子
    増えて嫌われる皺ではあるが、干大根となれば別。おいしい沢庵になるためにはこの皺が大事。たくさん皺が出来て褒められているのがほほえましい。 

秀作

  • 御即位のオープンカーや菊日和
    安達久美子
  • 青空を分け紅梅と白梅と
    川部 義明
  • 山百合のヘッドライトに浮びくる
    苅野 玲子
  • 浴衣着てのりの固さに母恋うる
    佐藤加代子
  • 機長より案内のあり皐月富士
    渡辺 幸江

佳作

  • 冬紅葉美し行幸の深大寺
    滝口 智子
  • 梅雨晴や優先順位あれやこれ
    富所 敬子
  • 顔見世の招き揚がりて京の川
    戸上 和
  • 流れ行く形さまざま秋の雲
    村上 允子
  • ねぶた出陣作る引く観るみな主役
    木村 遊風
  • 萩の花区の花として配らるゝ
    安藤 虎雄
  • 歓声の風に乗りくる運動会
    鈴木恵美子
  • 女医若しカルテの横に紙雛
    吉田 新子
  • ほととぎす次の一ト声待つしじま
    藤田 静枝
  • 年迎ふ母の齢を一つ越え
    中村 常子
  • 味噌餡が残ってをりし柏餅
    小林 智子
  • 声かけて明るき返事春隣
    三浦 絢子
  • 返却の日数や灯火親しめり
    千葉ゆり子
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