ひもんや俳壇
2016年3月号
一般投句
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賑はひを避けて詣でる初稲荷富所 敬子
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絶景の太平洋に初日の出滝口 智子
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年賀状戻りし人の思はるる畑山 則子
向原喜楽会・不動会
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ぷかぷかと心も浮きし柚子湯かな安藤 虎雄
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おでん鍋先ず大根にのびる箸鈴木恵美子
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堂寒し飛天の像の透かし彫笹島美和子
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来る年を待つ千両の実の真っ赤廣門登喜子
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重ね着を忘るる程の陽気かな吉田 新子
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温暖化師走の街を変へてゆく川部 義明
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屋根裏の障子明りに機を織る仲島 信
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一人居は気遣ひもなく着ぶくれて藤田 静枝
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飛び石のくぼみの上の薄氷譲原 節子
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掃くよりは拾ふ狭庭の落葉かな市川須美子
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大晦日思ひ出すこと多かりき中村 常子
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病床に友はやさしきサンタさん服部嘉奈子
竹の子会
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摩天楼眼下飲み込む冬霞苅野 玲子
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おほかたのことやり残す師走かな渡辺 幸江
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かけ足で渡る信号街師走千葉ゆり子
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赤ランプ工事渋滞師走かな安達久美子
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テレビ消し除夜の鐘聴くひとりかな苅野 節子
わかみどり
ミモザ会
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和服でとお誘ひを受け初芝居佐々木巴里
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冠雪の富士より美しきものはなく三国 紀子
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賽の目のよき数のでて絵双六石橋万喜子
黒澤三主寿
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自づから生まるゝリズム紙を漉く黒澤三主寿