ひもんや俳壇
2015年4月号
一般投句
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境内に寄り添ふごとく紅白梅富所 敬子
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吉報のメールに涙春日向畔柳 葉子
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寒鴉貼り絵のごとく動かざる畑山 則子
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雨上り庭一面の蕗の薹滝口 智子
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しなやかに薄紅のしだれ梅川口千代子
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雪の夜しずけさやぶるきゅうきゅう車きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会・さくら会
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梅を見て緩りゆるりと寺詣安藤 虎雄
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パッチワーク一針ごとに春を待つ柴崎 英子
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山容の墨絵ぼかしに春寒し武井 康子
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名木に梯子掛けあり冬構久保田光江
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バレンタイン本命のチョコ供へたり鈴木恵美子
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天神の重なる絵馬に春の雪笹島美和子
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初空や晴れも曇りも吉として廣門登喜子
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揚雲雀眠たき昼の針仕事吉田 新子
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蝋梅の香り漂ふ先に富士川部 義明
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午後の日に湖の薄氷光りたる仲島 信
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雲晴れて凛と佇む雪の富士譲原 節子
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沈丁の香のうすれゆく道となる市川須美子
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夫逝きて彼岸親しくなりにけり石井 昭子
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お雛様私とともに卒寿かな中村 常子
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春寒の朝の着替へも床の中服部嘉奈子
竹の子会
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初孫の知らせは春の息吹とも苅野 玲子
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みどり子のにぎるこぶしに春日さす渡辺 幸江
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竹笊におさまることのなき針魚千葉ゆり子
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待春の繰返し見る旅雑誌安達久美子
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透きとほる浅瀬にゆれる針魚かな苅野 節子
ミモザ会
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雛壇を仕舞ひ茶室にもどしけり佐々木巴里
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春の雲ちぎれ行方を分ちたる三国 紀子
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頷きもことばのひとつ春灯石橋万喜子
黒澤三主寿
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身に応ふ今朝の余寒でありにけり黒澤三主寿