ひもんや俳壇
2014年8月号
一般投句
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ひとり居の庭の紫陽花にぎはひぬ富所 敬子
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鍵穴に湿りのありて梅雨深し戸田 徳子
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ころぶなよ夫の一言夏の雨畔柳 葉子
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長とろへクラスメートと初夏のバスきりいのぞみ
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仄暗きことの涼しき寺本堂畑山 則子
向原喜楽会・不動会・原町さくら会
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白牡丹昨夜の雨粒抱きをり安藤 虎雄
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肩書きは要らぬ江戸っ子初鰹柴崎 英子
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水郷のあやめを分けてろかい舟武井 康子
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大川に水切りする子夏に入る飯田久美子
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みずみずし新樹よき香のひろごり来久保田光江
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ジャスミンの香り広がる遊歩道鈴木恵美子
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一本を摘めば土筆のあるはあるは笹島美和子
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雨あがり薔薇の雫が光ってる廣門登喜子
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駅の名の変り戸惑ふ業平忌吉田 新子
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石楠花の雨に打たれし風情かな川部 義明
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押戴く城主の御紋柏餠仲島 信
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子ら帰り一つ残りし柏餠藤田 静枝
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がめの葉を用ふ筑紫の柏餠滝口ふじ子
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一仕事終へて一口新茶飲む服部嘉奈子
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おむすびにしみてほんのり蕗の味石井 昭子
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とりあへず帰国の安堵新茶汲む市川須美子
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釜鳴りは松風の音新茶汲む譲原 節子
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春日さす我が師の新居訪ねけり中村 常子
竹の子会
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螢火を追って欄干伝ひ行く苅野 玲子
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屋久島の千年清水あまかりし渡辺 幸江
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果てしなくじゃがいもの花開拓地千葉ゆり子
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盆栽に今賑はひの苔の花安達久美子
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釣堀のしじまを破り中央線苅野 節子
ミモザ会
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七夕や思い出の人今いづこ佐々木巴里
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夏蝶の力漲る折返し三国 紀子
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遠ざかるほど音澄みて祭笛石橋万喜子
黒澤三主寿
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牡丹守居らざるやうに居りにけり黒澤三主寿