ひもんや俳壇
2014年7月号
一般投句
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曲がり角鏡の中も五月晴富所 敬子
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峡の闇かくも深きか岩魚焼く戸田 徳子
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父の忌や百合爛漫の中に居て滝口 智子
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スタイルは気にせぬ齢更衣新田はるゑ
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六月の新ろう新ぷ美男美女きりいのぞみ
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すぐ帰るつもりが長居新茶出て畑山 則子
向原喜楽会・不動会・原町さくら会
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母の手をつかず離れず新入生安藤 虎雄
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勿忘草今日も明日もやがて過去柴崎 英子
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新入りは花の接待つとめねば武井 康子
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背に余るランドセル負ひ入学す飯田久美子
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入学式終へし子見上げ祝福す久保田光江
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一年を待って花見の十日間鈴木恵美子
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転任の教師の卓に勿忘草笹島美和子
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庭に見て二階より見て朧月廣門登喜子
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舗道わき裂け目に一つ菫草森崎 富貴
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別れゆくテールライトや月朧吉田 新子
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蝶の来て庭の広さを計りけり佐々木 弘
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散る花を惜しみつ今日も人波に川部 義明
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行春や介護のためと帰国せる仲島 信
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とりあへず目刺あぶりて夫の膳藤田 静枝
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街の灯も消えてしまひし月朧滝口ふじ子
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真新しい制服に花吹雪かな服部嘉奈子
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広げれば風の煽りし花蓆石井 昭子
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春風にのりて山野をめぐりたし市川須美子
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遅桜大粒の雨容赦なく譲原 節子
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大雪にうもれて天守閣ありし中村 常子
竹の子会
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また一枚天を映して代田かな苅野 玲子
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思いきりショートカットに夏来る渡辺 幸江
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父よりも子の草笛の高きかな千葉ゆり子
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踊り子草発表会のチュチュの列安達久美子
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純白にして棘を秘め花いばら苅野 節子
ミモザ会
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疎開の日蚊帳に螢を入れしこと佐々木巴里
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時を得て日差し得て薔薇奢りけり三国 紀子
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日照雨すぎ十薬の白きわまりぬ石橋万喜子
黒澤三主寿
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憧れの制服なりし入学す黒澤三主寿