ひもんやだよりWEB版
ひもんやだよりWEB版
ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810
2023年09月号掲載
!

健康と美容に
水素入浴はとても賢い選択です

皮膚は体内に異物が入ることブロックする隔壁で、例えば高分子のヒアルロン酸やコラーゲンは皮膚に付着するだけで、皮膚の内側に入り込むことは出来ませんが、水素分子は極めて小さいので、皮膚を容易に通過して体内の細胞に到達することができます。水素を溶かしたお湯に入浴すると、水素が皮膚の細胞、そして皮膚を通過して筋肉や臓器の細胞に到達して抗酸化作用を発揮して、健康や美容に好影響を与えてくれる可能性があります。また入浴中はお湯から放出される水素を大量に吸引する効果も得られます。

水素水入浴は「機器を使って水を電気分解して発生した水素をお湯に溶かす」か、「水素を大量吸着したマグネシウムなどの多孔質物質をお湯に溶かす」かの2つの方法がありますが、どちらの方法でも、入浴時間(浴槽に浸かっている時間)が長い程経皮吸収される水素量、吸い込む水素量も増えるので、日々の入浴時間の確保も重要です。

水素入浴器

水素入浴器には二つの方式があります。

浴槽内に電極を入れて水素を発生させる方法と、浴槽外の電極で水素水にして浴槽に戻す方法に大別できます。水素の発生量は電極の大きさと使用電力、したがって機器の価格に比例します。浴槽内電極の場合は入浴スペースを確保するために電極の大きさが制限されますので、浴槽外方式よりも水素発生量は少なくなります。

浴槽内方式には、外部に電源を持ち電極だけを浴槽に入れるタイプと、バッテリー式で電極を含む装置全体を浴槽に入れるタイプがあり、外部電源式の方が水素発生量が大きくなります。

浴槽外に電極を持つ機器は、機器の大きさに制限がないため電極を大きくして水素発生量を増やしたり、電解水を浄化するフィルターを付けたり、発生水素をナノバブル化(加圧して水素を水素濃度を上げて放出)するなどの付加価値をつけることができます。

お湯の水素濃度は機器の水素発生量だけでなく、浴槽の大きさとお湯の量にも影響を受けます。広いお風呂にたっぷりのお湯を満たした場合には水素が薄まってしまいます。また駆動時間にも影響を受けます。長時間駆動すれば水素濃度は高まりますが、お湯も冷めてしまい、追い炊きすると水素が一気に抜けてしまいます。水素入浴機器の宣伝に水素濃度の記載が少ないのはそのためですが、一般的には、 「バッテリー式・機器本体浸水タイプ」<「外部電源式・電極浸水タイプ」<「外部電源・外部電極タイプ」の順で水素発生量、そして機器価格も上がります。

また、機器の起動から入浴できるまでの時間も機器選択のポイントになります。入浴する前に浴槽にお湯を貯めて、水素発生を開始させておく必要があるので、単位時間当たりの水素発生量が少ない機種だと、気温の低い時期には水素を発生しているうちにお湯の温度も下がってしまいます。バッテリー式の場合には事前に充電が必要です。

水素入浴剤

水素発生入浴剤は、原理としては水素サプリメントと同じで、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの多孔物質に、反応を促進する触媒や、コラーゲン、ヒアルロン酸、ハーブなどの成分を加えたものなど様々な製品が販売されています。一般の入浴剤と同じように入浴前にお湯に溶かせばよいのですが、酸化カルシウムを使ったものは発熱するので、直接皮膚に触れないようにケースに入れて浸水します。

入浴剤は電気分解機器式と違って水素濃度を宣伝している場合が多いのですが、水素濃度は浴槽の広さ、お湯の量と温度、溶かしてからの入浴のタイミングによって違ってきますし、入浴剤使用量を消費者が調節できるので評価は難しく、コストと水素発生量との比較は困難です。

私の水素入浴法

私自身が一番具体的効果を感じている水素療法が、水素入浴です。

もともと私は乾燥肌で、皮膚の代謝が悪い魚鱗癬なので、いつも皮膚はカサカサして痒く、シャツや靴下を脱ぐと皮膚の粉が大量に舞っていました。手足のあかぎれもひどく高価な保湿剤やローションを試しましたが効果なく、特に毎年冬には苦しんでいましたが、水素水入浴を行うようになってからは、皮膚の乾燥症状は軽減し、保湿剤やローションに頼らなくなりました。

私の使用している機種はホースで浴槽内のお湯を吸入し、外部電極で電気分解して水素を発生させて、加圧して水素をお湯に溶け込ませてホースで浴槽に戻すタイプです。カタログ値では200リットルの浴槽で42℃の温度で15分連続運転して、237ppbの溶存水素濃度とされています。この数値にどれだけの健康効果があるかは不明ですが、私の浴槽は小さなユニットパスで、お湯の量も少なめにしているのである程度の溶存水素の濃度は保たれているとおもいます。お湯を貯めながら15分間の連続運転(10分、又は15分で水素発生が一度止まるように設定されています)して、ある程度お湯がたまった時点で、水素を発生させながら入浴します。外部電極方式のいいところは、高濃度水素のお湯がホースから出てくるので、それをシャワーにして頭髪を洗ったり、ホースを痛みや腫れのあるところ、皮膚の気になるところに持って行き、高濃度の水素水が直接当たるようにして、水素の経皮吸収を高めることができる点です。打撲や筋肉痛や手術後の局所への効果が期待できますし、例えば甲状腺の病気の方は咽喉に、婦人科系の病気の方は下腹部に、前立腺肥大や男性更年期障害には股間にと、病気の部位に近い場所にホースを置くことで、経皮吸収による水素の局所拡散効果を高める可能性があります。

私が水素入浴を始めてからもう一つ大きく変わったのは、石鹸をほとんど使わなくなったことです。以前は古い角質を剥がすように石鹸を付けたブラシで体をごしごし擦っていたのですが、今は水素の浴槽の中で、身体を軽く手で擦る程度になりました。石鹸で皮膚を擦ると汚れと一緒に皮脂も洗い流してしまいます。自分の皮脂は一番自分にあった保湿剤で、どんな高級なローションも及びません。皮脂を洗い流す石鹸の界面活性効果で、乾燥肌の悪循環になります。長時間に屋外で皮膚を出して活動しない限り皮膚の汚れは少ないので、お湯で洗い流すだけで十分なのです。

水素水で頭を洗うことで、シャンプーの使用も減りました。通常は水素水を使ったいわゆる湯シャンでシャンプーは使わず、1~2週に1回、白髪染め効果のあるシャンプーをを使い、水素のお湯で十分に洗い流しています。数年間に床屋さんで、先生もずいぶん髪の毛が細くなってきましたね、と頭頂部を鏡で見せられて愕然としましたが、水素洗髪をメインにしてシャンプーを減らしてからは、髪の毛の太さや量も徐々に改善していますし、白髪も減っている感じです。

泊りがけの学会出張などの場合は、多孔性マグネシウム製剤の入浴剤を持参しています。水素発生量の少ない小型水素入浴器を持ち運ぶよりも、入浴剤の方が手軽ですし、大きなお風呂でも投与量を増やせば発生水素量を増やすことができます。水素発生量が多いとされてる入浴剤は高額ですが、普段使いではないですし、私が泊まるような安いビジネスホテルは浴槽も小さいので、少量の入浴剤でも高濃度の水素浴が可能です。

水素の効果だけでなく、石鹸やシャンプーの使用を減らすことによる皮脂の温存の効果と併せて、水素入浴が私にとっては皮膚や頭髪に良い効果を与えてくれていることは、実感しています。

健康美容効果ではありませんが、水素入浴を始めてから、浴槽からの排水の流れがかなり良くなったことも特筆できます。配管の細いユニットバスで排水が停滞ぎみだったのが、水素のお湯はスイスイと流れています。石鹸を使わなくなったことで、皮脂を含んだ汚れが減ったことが大きいとはおもわれますが、水素水の効果で配管表面への汚物の付着が減っている可能性もあるとおもっています。

水素入浴を試してみるには

水素入浴機器は高額で、浴槽内のスペースも制限されてしまいますので、いきなり購入することはお勧めしません。また安価な充電式の小型器では、水素発生量が少なく十分な効果が得られない可能性があります。水素入浴の入門には、水素入浴剤をお勧めいたします。

信頼できる水素入浴剤を規定量よりも多めに使い、ゆっくり入浴することを1か月ぐらい続けてみていただければ、水素入浴の効果を実感していただけるとおもいます。入浴剤にもよりますが、一回入浴コストは数百円です。

入浴剤、入浴機器にご興味のある方は、当院にご相談ください。

ページ先頭へ