ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
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2015年12月号掲載
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高齢者肺炎球菌ワクチンの理想的な接種方法
プレベナー13の高齢者への適応

肺炎球菌には 93 種類の血清型があり、平成26年10月からの定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。また、この23種類の血清型は成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の約7割を占めるという研究結果があります。

肺炎球菌ワクチンには、定期接種で使用されるニューモバックスNP(23価莢膜ポリサッカライド肺炎球菌、PPSV) 以外に、プレベナー13(13価結合型肺炎球菌、PCV13) があります。

プレベナー13(PCV13)は平成25年11月にプレベナー7(PCV7)から変更されました。プレベナー13はプレベナー7の改良ワクチンです。

生後2か月児から接種が可能で、小児でも免疫をつける効果が高いワクチンです。プレベナー7は小児のみの適応でしたが、プレベナー13は小児だけでなく、65歳以上の高齢者にも使用できます(平成26年6月20日適応)。

「プレベナー13」は肺炎球菌の多糖体にキャリアタンパクを結合させたワクチンで、T細胞を介した免疫を惹起することにより、免疫機能の未発達な乳幼児や免疫力の低下した高齢者でも優れた免疫応答を引き起こし、将来的な感染機会の際に重要となる免疫記憶を確立します。

外国では、「プレベナー13」の成人に対する適応は主に50歳以上の成人を対象に米国、欧州連合(EU)加盟地域、および韓国等のアジア各国を含め、101カ国で承認されています。

米国ではこの二つのワクチンを使った高齢者向けの接種スケジュールが発表されています。高齢者に対する肺炎球菌接種の接種方法は以下の通りです。

  1. プレベナー13 ⇒ ニューモバックスNP : 6~12か月空けて接種(最低の間隔は8週)

  2. ニューモバックスNP ⇒ プレベナー13 : 1年以上空けて接種

日本と異なる点は、ニューモバックスNPを一度も接種してない高齢者は、プレベナー13を先に接種する方法が勧められていることです。

この方法で2種類の肺炎球菌ワクチンを接種すると、効果的に免疫記憶を獲得し、予防効果があるといわれています。

但し、日本ではプレベナー13は定期接種ではありませんので、1万円の実費接種になります。

これから初めて接種する方、特に基礎疾患がある方は、先にプレベナー13接種をお薦めします。

ご興味ある方は、受付にてご相談ください。

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