ひもんやだよりWEB版
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ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810
2015年12月号掲載
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酸化マグネシウム製剤の安全性について

便秘などの治療に使われる「酸化マグネシウム製剤」をのんだ後、血圧低下など高マグネシウム血症を起こして死亡した例があることが新聞等で報道され、心配されて相談される方が増えています。

酸化マグネシウム製剤は、「酸化マグネシウム」「重質酸化マグネシウム」「マグミット」「マグラックス」の商品名で処方されており、薬局で買える一般薬にもあります。

酸化マグネシウムは、昭和25年から便秘薬や制酸剤などとして広く使用されており、年間使用者数は約4500万人(平成17年)と報告されている薬です。

それに対して、今回の副作用報告は「2012年4月以降死亡例も含め29件の副作用報告があり、19件で因果関係を否定できない。死亡例は4件で、1件は因果関係が否定できない」で、使用例に比べて、副作用の報告例は極めて少ないのです。

この数字からも、まずはほとんどの患者さんにとって、「酸化マグネシウムは安全な薬」とおもっていただいて大丈夫です。

酸化マグネシウムには、水分を保持する役割があり、酸化マグネシウムを投与すると、腸内の水分が保たれ、便を軟らかくする効果があり、便秘を改善させます。

費用も安く、安全で効果の高い薬なので、当院では今後とも処方を継続します。

ただし、高齢者や腎機能障害がある方などは、高マグネシウム血症をおこしやすいので、注意が必要です。

高マグネシウム血漿の初期症状は、吐き気、めまいなどです。

万一異常を感じられた場合は、服用を中止して、ご来院ください。

酸化マグネシウム製剤を服用中の患者さん・ご家族の方へ
持田製薬販売株式会社(販売:持田製薬株式会社)

酸化マグネシウム製剤の服用中に気をつけること

このおくすりは、まれに、「高マグネシウム血症」という副作用が起こることがあります。

次のような症状がみられましたら、「高マグネシウム血症」の可能性がありますので、このおくすりの服用をやめて、すぐに、このおくすりをもって、医療機関を受診してください。

高マグネシウム血症の初期症状

吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、傾眠(眠気でぼんやりする、うとうとする)


このおくすりを長く服用し続けている患者さん、腎臓に病気のある患者さん、高齢の患者さんにおいて、「高マグネシウム血症」が多く報告されています。特に便秘症の患者さんでは、腎機能が正常な場合や通常服用する量でも重篤な例が報告されていますので、注意してください。

「高マグネシウム血症」は、放っておくと重い症状(息苦しい、意識がもうろうとする、心停止)になることがありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。早めに発見し適切な処置をおこなえば大事に至ることはほとんどありません。

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