ひもんや俳壇

一般投句

• にぎやかに過ごす幸せ盆の家

  畑山　則子
• 鰯雲大工の肩の鉋屑

  戸上　和
• 奥利根を渡る川風赤とんぼ

  長島　ちよ
• 蟋蟀の鳴く土間夜の深き闇

  佐藤加代子
• 名月や天を畏れぬロシアあり

  木村　遊風
• 大雨の中に夜学の灯あかし

  松山　栄治

向原喜楽会

• 朝焼けを待たせて月の浮かびをり

  鈴木恵美子
• 冷奴紫蘇の葉香る夕餉時

  山崎　浦子
• ひまわりや天を仰いで何語る

  津川　志津
• 閉門の校庭しんと夏休み

  藤原和歌子
• 炎天に放り出されし地下出口

  笹島美和子
• サングラス外しにっこり御挨拶

  吉田　新子

竹の子会

• 絶景は茂の先にあと十歩

  苅野　玲子
• 青紫蘇の香りの先に母の顔

  渡辺　幸江
• 山道を案内するごと蛇苺

  千葉ゆり子
• 時の日や遅延を告げるアナウンス

  安達久美子
• 雨の輪の上に輪を描く水すまし

  苅野　節子

ミモザ会

• 草の花その小ささをめでて行き

  三国　紀子
• 曼殊沙華相ふれずして燃え尽きぬ

  石橋万喜子
• 大根煮る匂ひに帰り着きにけり

  黒澤三主寿