ひもんやだよりWEB版
ひもんやだよりWEB版
ひもんや内科消化器科診療所
〒152-003 目黒区碑文谷2丁目6-24
TEL.03‐5704‐0810

ひもんや俳壇平成二十五年度

2014年1月号

平成二十五年度

ひもんや俳壇賞

黒澤三主寿 選
※「ミモザ会」は特別作品として選外とさせていただきました

大賞

  • 本日休診先生のサングラス
    柴崎 英子
    先生はいつもお忙しい。地域の健康を預かっているからである。先生はまた地域の名士でもあるから、休診の日のお出掛けにはサングラスが不可欠なのかも知れない。別人のごとくにお似合いですよ。たよりにしています。先生。

次席

  • ジャズの音流るる夜のアマリリス
    武井 康子
    若々しい句である。そして何よりモダン。銀座でしょうか。それとも新宿。混み合う夜の喫茶店にはアマリリスの花がよく似合います。
  • 連休のあるやなしやと初暦
    苅野 玲子
    初暦を手にして先ず連休のあるなしを確かめたのである。今年は何処へ行こうか。家族旅行の夢がふくらみます。新鮮な発想が共感を呼ぶ。

ひもんや診療所・院長賞

  • 初夢のさだかならぬを惜しみけり
    久保田光江
    とても素晴らしい夢を見ていたような・・・でもよく思い出せない。一寸残念な、こんな経験はよくあります。まして初夢ならばなおのこと。いったいどんな初夢だったのでしょう。なんだか気になります。

秀作

  • こどもたちおちばのおみせひらいてる
    きりいのぞみ
  • 冬晴や威風堂々解脱門
    木村由貴子
  • 馬の足跣の目立つ村芝居
    渡辺 幸江
  • 盆詣兄に供へし一句かな
    川部 義明
  • 群衆の一人ぞ我も酉の市
    佐々木 弘

佳作

  • 白銀の富士仰ぎ見る三ヶ日
    川喜田秀雄
  • 毎日の椅子取りごっこ椋鳥飽きず
    原 良
  • 節分の豆まく夫の声小さき
    富所 敬子
  • 地の小人玻璃の階積む霜柱
    戸田 徳子
  • 松の内すぎてやさしき粥の味
    矢代アリサ
  • 冴返る空に鐘塔屹立す
    三浦 尚子
  • 白梅の香りほのかに杜の径
    滝口 智子
  • 生きのびし戸惑ひもあり夏の雲
    村田エイ子
  • 公園でさくらふぶきをキャッチする
    森おかゆう子
  • 町中が雛で埋まる町おこし
    安藤 虎雄
  • いつまでも生きる気がする若葉風
    小澤孝ん子
  • 十薬のお茶となる日を軒先に
    飯田久美子
  • 積む落葉ざくざく蹴りて登校す
    廣門登喜子
  • 年の豆数へて渡す小さな手
    森崎 富貴
  • 駆ける子に母追ひつけず春の風
    吉田 新子
  • 赤とんぼ朝の運河を染めにけり
    仲島 信
  • 思ひきり紫陽花を剪り秋を待つ
    藤田 静枝
  • 巳の年は八回目なる年男
    山形 定房
  • 願ひごとあまたかかへて伊勢参り
    千葉ゆり子
  • 楼門の朱を引き立てて若楓
    安達久美子
  • 凌霄の花房ゆれる曲り角
    苅野 節子
  • 旧館を覆ひ尽して蔦紅葉
    清水 悠子
  • 返事すぐ書きたき便り秋の夜半
    畑山 則子

一般投句

  • 立冬の空青くして富士白き
    富所 敬子
  • また同じ話聞きゐる小春かな
    戸田 徳子
  • クリスマスイルミネーション夢の街
    滝口 智子
  • ボールけり坂くねくねと小鳥来る
    桐井 希海

向原喜楽会・不動会

  • 秋日和水琴窟を楽しめり
    安藤 虎雄
  • 赤い羽根つけてニュースを読み上げる
    小澤孝ん子
  • 秋日和お地蔵さまを磨く列
    柴崎 英子
  • 赤い羽根紳士も子らも胸張って
    武井 康子
  • 蘊蓄を聞きつゝ初の茸狩
    飯田久美子
  • 秋日和ゆっくりと押す車椅子
    久保田光江
  • 寝るにはあまりにも惜し今日の月
    鈴木恵美子
  • 雨だれに頷き通し秋海棠
    笹島美和子
  • 八十路坂越えても元気紅葉狩
    廣門登喜子
  • 一人聴く補聴器越しの虫の声
    森崎 富貴
  • 新米に味噌汁熱く朝餉かな
    吉田 新子
  • 庭隅に見知らぬ小鳥啄める
    川部 義明
  • 鴫立つや運河にネオン映り初む
    仲島 信
  • 柿を誉め柿もてなさる大和みち
    藤田 静枝
  • 一群の小鳥一樹に納まりぬ
    黒澤三主寿

竹の子会

  • 総理にも秘書の求めし赤い羽根
    苅野 玲子
  • 夫の彫る観音像や秋の風
    渡辺 幸江
  • まてば椎廻らなくても可愛らし
    千葉ゆり子
  • ぐい呑みを持つ指先に酢橘の香
    安達久美子
  • 初りんご頬赤らめて店先に
    苅野 節子

わかみどり会

  • 末枯の中に何やら草の色
    清水 悠子
  • 木の股の干大根も象牙色
    畑山 則子

ミモザ会

  • つくばひにひと葉を込めて初氷
    佐々木巴里
  • 山茶花の散りゆくことに未練なく
    三国 紀子
  • 弾まざること美しく加賀手毬
    石橋万喜子
ページ先頭へ