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2012年11月号掲載記事

月に1回飲むだけの骨粗しょう症の薬があります

骨粗しょう症の薬は、飲みにくい、胃がむかむかするなど評判が悪く、治療を続けられない患者さんが多くいらっしゃいますが、月に1回飲むだけで、1か月間効果が持続する薬ができました。

骨粗しょう症とは骨の強度が低下することで、骨折の危険性が高まる病気です。

骨粗しょう症になっていても自覚症状が少ないため、気づかないうちに骨の量が減少し、転倒などの軽い衝撃でも骨折してしまう危険性が高まります。

骨粗しょう症の方の骨折は治りにくく、背骨や大腿骨を骨折すると歩行ができなくなり、寝たきりになる可能性が高くなります。

閉経後の女性は、加齢とともに骨量が減っていきます。

骨粗しょう症の治療は早い段階で治療することが最も効果的であり、特にビスホスホネート系と呼ばれる骨粗しょう症の薬の服用を続けることによって、骨強度や骨密度が高まり、寝たきりの原因となる骨折を予防することができます。

ビスホスホネート系の薬は、効果が高いのですが、飲みにくい、飲んだあと30分横になれない、食事がとれなくて不便、また、飲んだあとの胸焼け、胃がむかむかするなどの副作用がつらく、治療が続けられない方が少なくありません。

この飲みにくさや副作用を改善するために、月1回飲むだけのタイプの薬が開発され、この10月から長期処方可能になっています。

ビスホスホネート系の薬は、しばらく骨にとどまって作用するため、月1回の服用で、毎日服用や週1回服用のものと同等以上の効果があり、安全性も同等、そして費用も安くなります。飲み忘れが無くなるメリットもあります。

骨粗しょう症と診断されているが、治療をためらっている方、現在飲んでいるお薬を、月1回のタイプに替えてみたい方は、ぜひご相談ください。