医療記事一覧

医療情報

2011年8月号掲載記事

熱中症

高温・多湿の環境下で水分を補給せずに長時間スポーツや作業を続けると、体温が上がり脱水を起こします。重症化すれば全身の機能も障害されます。熱中症は誰にでも起こり得る病気なので、暑い時にはこまめに水分を取り、自分のペースで活動することが大切です。

熱中症はどうすれば防げますか

炎天下でスポーツなどを行う際は、早めに水分摂取するよう心がけてください。

0.2%程度の塩分(ナトリウムの量なら40〜80mg/100mL)を含んだスポーツドリンクなどを、活動前に250〜1000mL取るとよいでしょう。

衣服は、風通しが良くて軽い、熱を吸収しにくい白系統のものを着用しましょう。

梅雨明けなど急に気温が上がったときは、体が高温環境に慣れていません。学校では、新入部員は自分の力を過信しないように注意してください。 また、疲労感や発熱、寝不足、食欲不振がある時は、熱中症にかかりやすいため、無理をしないことが大切です。

対処法について教えてください

活動中に、めまいや頭痛、気分不快などの症状が少しでも現れたら、速やかに休息を取り水分補給してください。 活動を続けると命にかかわる危険性もあります。

"FIRE"(Fluid:水分補給、Ice:体の冷却、Rest:運動の休止・休息、Emergency:緊急事態の認識)に留意しましょう。

意識がない場合には、直ちに救急医療機関に運ぶ必要があります。その間の応急処置としては、患者を冷房下(無ければ木陰)に移して衣服を脱がせ、 霧吹きで体の表面に水をかけたり、足の付け根や首筋、わきの下、足首など、動脈が触れる部位を氷で冷やし、体をできるだけ冷却します。