医療情報
不眠症と睡眠薬
不眠症とは?
不眠症とは、寝つけない、熟睡できないなど、睡眠が妨げられるために日常生活に支障を来たす疾患です。厚生労働省の報告によると、日本人の3人に1人が、現在または過去に睡眠についての悩みを経験しています。
「最適な睡眠」とは?
「最適な睡眠」というと、「1日8時間睡眠をとる」というように、トータルの睡眠時間に着目しがちですが、 図1を見てみると、「睡眠での休養が十分と感じている人」で最も多い睡眠時間は7時間、「不十分と感じている人」で最も多い睡眠時間は6時間と、実際には1時間しか違いはありません。睡眠時間の長さだけに充足感や休息感を感じるわけではないようです。
不眠症のタイプ
最適な睡眠を得るためには、睡眠時間以外の要素も重要です。
たとえば、寝付くまでに時間がかかってしまったり、夜中や早朝に目覚めてしまうと、睡眠による満足が得られません。不眠症は、症状によって、4つのタイプに分類されます。
- 「入眠障害」
- 本人が眠ろうと意識したときから寝つくまでに時間がかかってしまう、いわゆる「寝つきが悪いタイプ
- 「熟眠障害」
- 十分な時間眠っていても、翌朝起きた時に眠った気がしない、眠りが浅いタイプ
- 「中途覚醒」
- 一度寝ついても、途中で何度も目が覚めてしまう場合や、夜中に目が覚めてからなかなか寝つけないタイプ
- 「早朝覚醒」
- 自分が起きようとしていた時間より早く目覚めてしまう場合で、高齢者によく見られるタイプ
この4タイプの中では「入眠障害」が最も多く、不眠症の約6割を占めています。
不眠症と治療(睡眠薬の使い分け)
不眠症の治療の基本は、最適な睡眠を得るようにすることです。
不眠の原因(ストレスや、精神的・身体的疾患など)を取り除くことが最も重要ですが、睡眠薬を利用することで、最適な睡眠を得られることも多く、効果的な治療といえます。
睡眠薬は、作用時間によって、
図2は、「
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「
睡眠薬の副作用や習慣性を心配して、服用をためらっている方もいらっしゃいますが、不眠の状態を長く続けることは、健康にとってマイナスです。自分にあった睡眠薬を上手に利用して、最適な睡眠を得ることをお勧めいたします。