医療記事一覧

医療情報

2008年10月号掲載記事

気・血・水の異常と体の不調

気・血・水とは

「気・血・水」は漢方独特の病気の見立てかたです。

漢方では、人間の身体は気・血・水の3要素が体内を循環することによって維持されると考えます。この3要素が不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。


[き]
目には見えない生命エネルギーのこと。「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気です。「自律神経(体の機能を調整する神経)」のはたらきに近いと考えられています。

[けつ]
全身をめぐってさまざまな組織に栄養を与えます。主に血液を指します。

[すい]
血液以外の体液全般に相当し、水分代謝や免疫システムなどに係わっているものとされています。

気・血・水が変調をきたすと、体に症状や不調が起こってきます。

気の不調

気虚
[ききょ]
気が全体的に不足している状態。気力の減退や疲労感、だるさ、食欲不振などが見られます。
気鬱
[きうつ]
気滞
[きたい]
気の流れが障害された状態。頭が重い、のどが詰まった感じがする、息苦しい、おなかが張るなどが見られます。
気逆
[きぎゃく]
気の流れが逆行している状態。のぼせや動悸、発汗、不安感などが見られます。

血の不調

お血
[おけつ]
血行不良の状態。月経異常、便秘、おなかの圧痛(押すと痛む)、色素沈着などが見られます。
血虚
[けっきょ]
血液が全体的に不足している状態。貧血、皮膚の乾燥、脱毛、血行不良などが見られます。

水の不調

水毒
[すいどく]
水滞
[すいたい]
体液の偏在(必要なところには少なく、必要のないところに溜まっている)状態。むくみ、めまい、頭痛、下痢、排尿異常などが見られます。

肌のトラブルも気・血・水の変調から起こる場合があります。

気・血・水の変調を整えることがアンチエイジングにもつながります。

肌のトラブルに使われる漢方処方例