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2008年09月号掲載記事

CKD [Chronic Kidney Disease](慢性腎臓病)について

腎臓は、血液をきれいにろ過して、老廃物を尿として排泄する働きをしています。

腎臓が悪くなると・・・

腎臓が悪くなると最終的には血液がろ過できなくなり、血液透析が必要になります。

透析患者は国内外で急激に増加しています。(Fig.1)

血液透析は週3回必ず通院して、1回4〜5時間かけて行うので、患者さんの身体的負担はかなり大きく、また透析患者さん一人にかかる医療費は1年間で約500万円で、国民の医療費を圧迫しています。

近年の調査で、透析に至らないレベルの腎障害でも、慢性化すると、心臓病や脳卒中を起こす危険性が、正常な方に比べて3倍も高くなることがわかりました。(Fig.2)

これまで見過ごされていた軽度の慢性腎臓病も、早期に治療を開始する必要があります。

早めに検査を受けましょう

CKD(慢性腎臓病)は、自覚症状はほとんどありませんが、尿検査と血液検査で簡単に早期発見することができます。

CKDの患者さんは、高血圧、糖尿病を合併していることが多く、また高血圧や糖尿病はCKDの悪化原因です。

一度悪くなった腎臓はなかなか元には戻りませんが、高血圧、糖尿病をしっかり治療することで、 CKDも早期であれば改善することがわかってきました。

CKDに効果の高い血圧の薬も開発されています。

CKDを早期に発見するために、定期的に尿検査や血液検査を受けることをおすすめします。