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2008年06月号掲載記事

特定メタボ健診

今年度から、40歳以上を対象とした住民検診や職域検診が、メタボリックシンドローム対策を中心とした「特定検診」にかわります。

メタボリックシンドロームとは

おなかの中の内臓のまわりに脂肪がたくさん沈着した状態を内臓脂肪型肥満といい、高血圧、脂質異常、糖尿病になりやすく、心筋梗塞、脳梗塞を起こす可能性が高いことがわかっています。内臓脂肪型肥満は、女性に多い皮下脂肪型肥満(いわゆるお相撲さん型の肥満)とは異なります。

メタボリックシンドロームは、ウエストの周囲径で、内臓脂肪の蓄積度合を推定して、心筋梗塞や脳血管障害を起こしやすい状態かどうかを診断する、新しい病気のとらえ方です。

もちろん、おなか周りが大きい人がすべて内臓脂肪型肥満とは限りませんので、ウエスト周囲径に、高血圧、脂質異常、糖尿病の3つの因子を組み合わせて判断します。

ウエスト周囲径が基準以上で、脂質、血糖値、血圧の3項目のうち、2項目以上に異常値がある場合、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

メタボリックシンドロームの人はどのくらい病気になりやすいのか?

図1のようにメタボリックシンドロームの人は、心臓病(冠動脈疾患、心筋梗塞)や脳梗塞の発症率が高いのです。

図2のようにメタボリックシンドローム患者は、そうでない人にくらべて死亡率が高いことがわかります。

今年度からの健康診断は、糖尿病や高血圧、高脂血症の予備軍であるメタボリックシンドロームを早期に発見し、生活指導、そして治療を行って、心臓疾患、脳血管障害で命を落とすことがないようにすることが目的としています。