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2008年03月号掲載記事

花粉症

その症状、風邪? それとも花粉症?

花粉症の4大症状

  • 立て続けにおこり回数も多いくしゃみ
  • 水のようにさらさらで止まらない鼻水
  • 両鼻が頑固な鼻づまり
  • 強い目のかゆみ

なぜ花粉症になるの?

花粉症とは花粉が原因のアレルギー病です。 スギなどの花粉に含まれるアレルギー物質は抗原(アレルゲン)となり、体の中で抗体を作り出します。抗体は、再び抗原が体に侵入した時に、肥満細胞という細胞内から、ヒスタミンなどの物質を放出させ、神経を刺激し、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目のかゆみの症状が起こります。

植林による花粉の飛散量増大、不規則な生活やストレス、生活の向上、医療の進歩により細菌感染が減ってアレルギー体質になりやすくなったことで、花粉症が増えていると考えられています。

どんな人がなるの?

アレルギーによる皮膚炎や、ぜんそくなど、アレルギー反応を起こしやすい体質である場合は、花粉症にもなりやすく、アレルギー体質は、遺伝するので、家族に鼻のアレルギーや、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などの患者がいる人は要注意です。日本人の約15%が、花粉症など、鼻アレルギーといわれています。年代でみると20歳代、10歳代、30歳代と多く、60歳代以降は少なくなる傾向がみられます。

予防と治療は?

メガネやマスクをしたり、帰宅後にうがいや洗顔をしたり、掃除をこまめにして花粉の付着を減らすことで、予防や症状を軽くすることができます。

症状が強い場合には、飲み薬や、目薬、点鼻薬による治療を開始します。

症状が出る少し前から、飲み薬を開始することで、重症化を防ことができるので、早めに受診をしてください。

減感作療法は、原因となっている抗原を少量ずつ増やしながら注射していく方法ですが、当院では行っておりません。症状の強い人でご希望があれば専門の施設にご紹介します。

ステロイド注射は骨粗しょう症を促進し、筋肉の萎縮や免疫力を落としてしまうなど副作用も多く、アレルギーの専門医も推奨していないため、当院では採用していません。

あなたに合ったお薬を!(薬物治療)

当院では、その人に適した治療薬を提供できるように、お薬をそろえています。

治療の中心は抗ヒスタミン剤で、いろいろなタイプのものがあります。

朝夕2回服薬するものと、1日1回で24時間作用するものがあり、飲み忘れの多い方や忙しい方は、1日1回のタイプがお勧めです。

効果の強さはさまざまで、個人差も多いので、どの薬が一番効く、ということは一概には言えません。一般に強いものほど、眠気も強い傾向があります。眠気が強いときは、夜寝る直前に飲むとよいでしょう。

抗ヒスタミン剤だけで効果が不十分な場合には、点鼻薬や点眼薬を併用します。また鼻づまりに良く効くタイプの抗アレルギー剤を併用したり、少量のステロイド剤が配合されているセレスタミンを症状の強いときだけ追加したりします。

大切なのは、シーズン中は体内の薬の濃度を一定に保つために、薬を中断しないことです。花粉の少ない日は、一時的に症状が軽くなることもありますが、薬はやめないでください。花粉の量が多くなってから、あわててまた薬を飲んでも、効果が出るのに時間がかかってしまうことがあります。