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2006年10月号掲載記事

漢方の保険診療

漢方薬について、国内最大メーカーであるツムラの担当者にお話を聞きました。

漢方薬とはどのような薬ですか?

薬として効くことが知られていた生薬(自然の生薬や、動物、鉱物など)を組み合わせた薬です。

上の写真も実は生薬の写真なのですよ。

皆さんお馴染なものからセミのぬけがらのようなものまで生薬として使われているのです。

お医者さんが治療で使う漢方薬と一般の薬局で売っている漢方薬は違うのですか?

お医者さんが治療で使う漢方薬を「医療用漢方製剤」、一般の薬局さんで売っている漢方薬を「一般用漢方製剤」「市販薬」といいます。

この両者は薬の名前が同じであれば、含まれている生薬や成分は一緒です。市販薬は自己管理のもと服用することから、有効成分が医療用漢方製剤の3分の2から2分の1の量に抑えられているものが多いようです。

では、それぞれの違いを見てみましょう。

薬局で購入する場合
診察や検査はないので手に入れやすいのですが、検査をすれば発見できる病気を見落としてしまう可能性があります。
お医者さんにもらう漢方薬
医師によるアフターフォローがもちろんあります。効果や副作用は検査によってしかわからない場合もあるので、医師によるアフターフォローはこころ強いといえます。
漢方薬は高くないの?との疑問もあるかとおもいますが、お医者さんからもらう医療用漢方製剤は健康保険が適用されているのです。市販薬より安価になるのです。(Fig.1)

煎じ薬とエキス剤の違いは?

煎じ薬
漢方薬のイメージはこちらだと思います。漢方薬の構成生薬を煮詰めたもので、においが強いのが特徴です。しかし、手間がかかり、人の手で煮詰めていくので、濃度にばらつきが出ます。
エキス剤
煎じ薬を独自の手法で乾燥させて飲みやすくした者です(Fig.2)。つまり煎じ薬と同じ成分です。インスタントコーヒーをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
また、におい、手間隙、持ち運びの不便などありません。濃度も一定で安定しています。

生薬はどこで作られているのですか?

原料生薬の多く(70〜80%)は中国や韓国などから輸入しています。

農薬など問題ないのですか?

製剤になるまでに残留農薬検査や重金属の検査など十分に行っていますので安心していただけます。

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