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2006年6月号掲載記事

ドライマウス

ドライマウスとは

ドライマウスとは、「口腔乾燥症」とも言い、口の中が乾く症状をさします。

ドライマウスの患者数は推定800万人とも言われ、特に中高年の女性に多いようです。(Graph.1)

ドライマウスは主に唾液分泌の減少によって起こります。

通常、唾液は1日に1〜1.5リットル(!!)も分泌され、Fig.1のような役割を担っています。

Fig.1 唾液の役割
作用 役割
1.消化作用 デンプンを分解する
2.口の中の環境を維持する作用 味覚を促進する
食べ物のかすを洗い流す
発音や会話をスムーズにする
細菌の繁殖を抑える
歯の表面を保護し虫歯を防ぐ

ドライマウスの症状

唾液を作る能力が低下する原因は様々です

加齢、ストレス、薬の副作用など・・・また、糖尿病や貧血などの病気が原因となって起こる場合もあります。

最近は、シェーグレン症候群という疾患も増えています。

シェーグレン症候群は、免疫システムの異常と考えられていますが、詳細はまだわかっていません。遺伝や環境が関与しているとも言われています。

日本におけるシェーグレン症候群の患者数は50〜100万人、発症は50歳代が多く男女比は1:14です。

シェ−グレン症候群では口だけでなく目や鼻にも乾燥が見られたり、関節が痛んだりといった症状が出ます。

ドライマウスの治療

ドライマウスの治療は、原因を見つけてそれを除去することです。

しかし、辛い自覚症状を早く取り去ることも重要です。

現在、口腔内の乾燥を改善するための薬が各種発売されています。

  • 外用薬:保湿効果のあるクリームなど
  • うがい薬
  • 人工唾液(スプレー剤)
  • 内服薬:唾液腺を刺激する薬、漢方薬など

それぞれの方の症状や原因によって、合う薬、使える薬が異なります。

口の乾燥が気になる方は、当院までご相談ください。