ひもんや俳壇
ひもんや俳壇 2013
平成24年 ひもんや俳壇賞
大賞
次席
次席
ひもんや診療所・院長賞
秀作
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お祓ひのきょろきょろ余所見七五三
安藤 虎雄
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海開いつもの海と思へども
小澤孝ん子
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足らなきは足らなきまゝに年用意
武井 康子
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甚平をまだ着たがらぬ夫であり
吉田 新子
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短命な姉でありしよ彼岸花
佐々木 弘
佳作
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雨止みて月白々と冬に入る
川喜田秀雄
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待つほどは音の遅れず遠花火
原 良
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退院の朝咲きくれし花菖蒲
富所 敬子
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新米のきらめき災禍忘れまじ
戸田 徳子
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隅田川澄みて映せる武蔵の塔
矢代アリサ
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マフラーがかわいく風におどってる
森おかゆう子
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母の日にママ大すきとえてがみを
きりいのぞみ
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毛筆の律義な賀状もう来ない
半澤ハツ子
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坪庭の小さな景色虫時雨
柴崎 英子
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剪り供ふ千両の実の重さかな
飯田久美子
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数え日の昨日も今日もまたたく間
久保田光江
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鈴虫に夜を盗られて仕舞ひけり
廣門登喜子
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虫時雨森の奥より押し寄せ来
川部 義明
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充分に努め果たして秋簾
宇都宮義長
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鮎を釣る竿をすべりし日の光
仲島 信
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庭隅の紅白梅の咲き競ふ
西嶋 邦夫
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蝋梅に春待つ心託しけり
山形 定房
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雨止みし報せのごとく囀れり
苅野 玲子
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女王の威厳を乗せて夏の川
渡辺 幸江
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鬼の面付け抱かれる子節分会
苅野 節子
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どこまでも河津桜の道つゞく
浅田 智子
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念入りな肌の手入れも冬支度
清水 悠子
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思はざるときに佳きこと福寿草
畑山 則子
1月号
一般投句
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毎日の椅子取りごっこ椋鳥飽きず
原 良
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坂下のマンション前に花八手
富所 敬子
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芭蕉忌やひとり芝居の役者凛
戸田 徳子
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こどもたちおちばのおみせひらいてる
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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さざなみの寄せくるごとし芒原
安藤 虎雄
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冷まじや五百羅漢の仏たち
小澤孝ん子
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裏参道おちょぼ口した石榴かな
柴崎 英子
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日和よく祝の膳に菊膾
武井 康子
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空砲の冬めくひゞき富士裾野
飯田久美子
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濤音に運ばれて来し秋の声
久保田光江
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渡りきし白鳥の群田に遊ぶ
鈴木恵美子
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縁日は雨でしたよと落葉掻く
笹島美和子
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こぼれ萩吟行の道白く染め
廣門登喜子
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好天の秋を惜しめる飛行雲
森崎 富貴
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八甲田山薄紅葉して遭難碑
吉田 新子
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彼岸花地蔵のそばに並びたつ
川部 義明
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群衆の一人ぞ我も酉の市
佐々木 弘
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峠茶屋客を迎へる芒かな
宇都宮義長
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子の平癒願ふ神前木の実落つ
仲島 信
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百態の羅漢に百の秋思かな
黒澤三主寿
竹の子会
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敗荷や見むきもされぬ身をさらし
苅野 玲子
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湯けむりに薄紅葉して鳴子峡
渡辺 幸江
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学童の家路に釣瓶落しかな
千葉ゆり子
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人を待つ釣瓶落しの時計台
安達久美子
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語らへば釣瓶落しやクラス会
苅野 節子
わかみどり会
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雪が降るアダモの歌がふと耳に
清水 悠子
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揺れ残る遊具の軋み秋夕焼
畑山 則子
ミモザ会
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ゆづられたる席のぬくもり冬隣
佐々木巴里
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団栗を踏みつ社殿へ男坂
三国 紀子
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小春日や園児が丸く囲む保母
石橋万喜子
2月号
一般投句
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山茱萸の実揺れゐし枝のやがて地に
川喜田秀雄
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芦毛塚守り主たる石蕗の花
富所 敬子
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藪柑子葉裏に交すささめごと
戸田 徳子
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新しい年をむかえてうれしいね
森おかゆう子
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あかとしろどちらもがんばれうんどうかい
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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秋高しスカイツリーのなほ高し
安藤 虎雄
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久々に背中伸びたる小春の日
小澤孝ん子
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茶の花や母の遺せしお針箱
柴崎 英子
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富士仰ぎ干大根の日に映えて
武井 康子
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庭垣の茶の花風の冷えてきし
飯田久美子
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帰国せし機を降り立てば冬めける
久保田光江
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丹精の懸崖の菊座を圧す
鈴木恵美子
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一行の声の弾けて檀の実
笹島美和子
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風一ト日立冬の空拡げたる
廣門登喜子
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母の齢疾うに越えたる木の葉髪
森崎 富貴
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冬茜惜しめば富士のシルエット
吉田 新子
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小春日や親亀子亀甲羅干し
川部 義明
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冬めくや昨日に変る雲の色
佐々木 弘
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口遊む小唄茶の花日和かな
仲島 信
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揺れてゐる鳥籠の影花八手
黒澤三主寿
竹の子会
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甲高き百舌の叫びの空を切り
苅野 玲子
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百舌高音斑鳩の里暮なづむ
渡辺 幸江
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新蕎麦に舌鼓して旧友会
千葉ゆり子
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銀杏散り散りて黄の色地に移し
安達久美子
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新蕎麦の匂ひ小布施の街中に
苅野 節子
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わかみどり
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晴れわたり冬日のあふれたるベンチ
清水 悠子
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焼芋のひとつを父に供へけり
畑山 則子
ミモザ会
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クルーズの部屋の聖樹に迎へらる
佐々木巴里
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葉牡丹の紅白市松模様かな
三国 紀子
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初夢の中にかのひと置いてきし
石橋万喜子
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小夜更けて思い出たどる賀状かな
池田 重子
3月号
一般投句
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白銀の富士仰ぎ見る三ヶ日
川喜田秀雄
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孫達といろはがるたで白熱戦
富所 敬子
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地の小人玻璃の階積む霜柱
戸田 徳子
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冬晴や威風堂々解脱門
木村由貴子
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かれえだにまち遠しいな春の花
森おかゆう子
向原喜楽会・不動会
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北風にいどむ漁師の心意気
安藤 虎雄
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冬ざるゝ裏木戸鳴らす風の音
小澤孝ん子
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海に向く冬ざれの丘異人墓地
柴崎 英子
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雪原に白鷺の群かゞやけり
武井 康子
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頑張るぞ北風の中万歩計
飯田久美子
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交番の裏なる石蕗の花あかり
久保田光江
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幼き手杵にそはせる餠つき会
鈴木恵美子
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ご意見はあと湯豆腐の動き出す
笹島美和子
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積む落葉ざくざく蹴りて登校す
廣門登喜子
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独り身の春支度とて急がるる
森崎 富貴
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すき焼きに異議なし家族忘年会
吉田 新子
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寒梅に力貰ひし散歩道
川部 義明
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待ち人のいまだ来たらず枯木立
佐々木 弘
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猫舌の夫湯豆腐は後廻し
仲島 信
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湯豆腐にまだ帰り来ぬ一人かな
黒澤三主寿
竹の子会
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目立たづも確かに咲いて枇杷の花
苅野 玲子
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大和路の旅にありけり返り花
渡辺 幸江
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病床の窓辺に淡く枇杷の花
千葉ゆり子
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若沖の捨てがたきかな古暦
安達久美子
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型番を確かめて買ふ日記かな
苅野 節子
ミモザ会
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晩酌のしめは味噌汁寒しじみ
佐々木巴里
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春寒し園に身を置く所なく
三国 紀子
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豆撒や老いて夫も子のひとり
石橋万喜子
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こぶし咲くバス道今日も雨に濡れ
池田 重子
4月号
一般投句
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失態は鵯籠に伏せしこと
川喜田秀雄
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節分の豆まく夫の声小さき
富所 敬子
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飽食の果てねんごろに目刺焼く
戸田 徳子
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松の内すぎてやさしき粥の味
矢代アリサ
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冴返る空に鐘塔屹立す
三浦 尚子
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春隣一人ぼっちの豆料理
瀧口 智子
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とうめいにぬれているようはるのやま
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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衝く鐘のカウントダウン淑気満つ
安藤 虎雄
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雪降らす天には天の初仕事
小澤孝ん子
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もののふの声に父親豆を撒く
柴崎 英子
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今様の春着の姿艶やかに
武井 康子
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鈍色の空より生まれ春の雪
飯田久美子
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初夢のさだかならぬを惜しみけり
久保田光江
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生きてゐる証の賀状お互ひに
鈴木恵美子
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園長に子ら雪礫矢継ぎ早や
笹島美和子
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しのび来る巌の如き寒さかな
廣門登喜子
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佛前に供へてひとりなづな粥
森崎 富貴
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雪折の一枝に道塞がるる
吉田 新子
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スマートホン片手に晴着初詣
川部 義明
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盆梅の枝を頒ちて紅と白
佐々木 弘
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健康な暮らしに感謝晦日蕎麦
仲島 信
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雪踏んで花びら餅の届きけり
黒澤三主寿
竹の子会
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連休のあるやなしやと初暦
苅野 玲子
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羽子板に幼きころの我となり
渡辺 幸江
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さてどんな羽子板市に世相見る
千葉ゆり子
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羽子板を飾り生家の大広間
安達久美子
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年明けし静けさ今日の街にあり
苅野 節子
わかみどり会
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春めきし風にゆさゆさ大王松
清水 悠子
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風邪声を会ふ人ごとに気遣はれ
畑山 則子
ミモザ会
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盆梅の源平にして咲ききそふ
佐々木巴里
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物の芽のぞくぞくと日に応ふかな
三国 紀子
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頂上のなべて平や山笑ふ
石橋万喜子
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花びらに鯉たはむるる昼さがり
池田 重子
5月号
一般投句
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向ひ合ふ家の梅の木紅と白
富所 敬子
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初音聴くただずまひふと糺しけり
戸田 徳子
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白梅の香りほのかに杜の径
瀧口 智子
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公園でさくらふぶきをキャッチする
森おかゆう子
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目も口もクリスタルなりおひなさま
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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春めきて老いの声さへ弾みけり
安藤 虎雄
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豆撒くや日頃の憂さの捨てどころ
小澤孝ん子
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二ン月の水上バスは水蹴って
柴崎 英子
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名優に名残を惜しむ春時雨
武井 康子
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「福は内、福は内」ばかり声高に
飯田久美子
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春寒や子のひと言は反抗期
久保田光江
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昨夜よりの大雪予報雨となる
鈴木恵美子
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明日また舟出す話若布干す
笹島美和子
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咲かす雨散らす雨あり春時雨
廣門登喜子
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年の豆数へて渡す小さな手
森崎 富貴
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バスで来て自転車で来て梅日和
吉田 新子
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春を待つ森の梢も色付きぬ
川部 義明
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紅梅や少女の髪によく似合ふ
佐々木 弘
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盆梅の主は知らず並びをり
仲島 信
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巳の年は八回目なる年男
山形 定房
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万蕾を率て白梅の一二輪
黒澤三主寿
竹の子会
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凍て返る母を訪ひたる帰り道
苅野 玲子
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原稿の埋まらぬ日々や凍て返る
渡辺 幸江
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咲き出して出窓はなやか君子蘭
千葉ゆり子
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タクシーの長蛇の列や凍て返る
安達久美子
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葉も花もすべて大らか君子蘭
苅野 節子
わかみどり会
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にこやかに擦れ違ふ女春ショール
清水 悠子
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錆ついて子を待つ遊具春浅し
畑山 則子
ミモザ会
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手籠にも葉の香のうつり桜餠
佐々木巴里
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小魚の影の素早さ水温む
三国 紀子
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脇役は花にもありて霞草
石橋万喜子
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石だたみ花びらいとし回り道
池田 重子
6月号
一般投句
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岩壁にせり出す今年竹青し
富所 敬子
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春コートまとひ白髪艶めけり
戸田 徳子
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初夏や窓辺に富士のすっきりと
瀧口 智子
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めぐり来る五月三日の五月晴
矢代アリサ
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はるの空じんこうのたきおなじ青
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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町中が雛で埋まる町おこし
安藤 虎雄
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雪踏んで一軒一軒雛訪ね
小澤孝ん子
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寺町のどこを抜けても梅真白
柴崎 英子
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ほろ酔ひて意気投合の花筵
武井 康子
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花ミモザ遠目には黄のかたまりに
飯田久美子
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彼岸会や戦死の弟十八歳
久保田光江
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来年もお逢ひしたいと雛納む
鈴木恵美子
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花ミモザ活けテーラーの飾り窓
笹島美和子
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かゝる間も時は過ぎゆく梅は散り
廣門登喜子
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花に気をとられ躓きさうになる
森崎 富貴
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駆ける子に母追ひつけず春の風
吉田 新子
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青空を分け紅梅と白梅と
川部 義明
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春一番街中の木々なびかせて
佐々木 弘
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記念樹の一本選ぶ苗木市
仲島 信
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なつかしき母の筆あと雛箱
黒澤三主寿
竹の子会
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春雷に身を縮めたる雨宿り
苅野 玲子
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春空ににらみを遺し團十郎
渡辺 幸江
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願ひ事あまたかかえて伊勢参り
千葉ゆり子
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和みけり京懐石に菜飯出て
安達久美子
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この頃の厳しさ飛ばす春一番
苅野 節子
わかみどり会
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鍬入れに若葉の風や地鎮祭
清水 悠子
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あたたかや犬をこの子と呼ぶ会話
畑山 則子
ミモザ会
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郭公の声を数へて露天風呂
佐々木巴里
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藤棚の茂り四方より風通ふ
三国 紀子
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雀斑の子の脚長き麦の秋
石橋万喜子
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妖艶な藤の化身か玉三郎
池田 重子
7月号
一般投句
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センスよきマフラー届きし母の日に
富所 敬子
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白靴履くなほ恋心抱きたく
戸田 徳子
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青い空つばめを三羽みつけたよ
森丘 裕子
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こばん草風がゆらすよそよそよと
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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戦争と平和を思ふ昭和の日
安藤 虎雄
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迷はずに昭和の日と言ふ新時代
小澤孝ん子
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シャンソンはドラマチックよ花ミモザ
柴崎 英子
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菜の花のびっしりと咲き野の静か
武井 康子
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花杏うすくれなゐに村一つ
飯田久美子
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戦争をはさんで生きて昭和の日
久保田光江
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春光や癒えたる友の声はづむ
鈴木恵美子
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藤棚を透かして七堂伽藍かな
笹島美和子
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雨やんで葉桜光り振りこぼす
廣門登喜子
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静けさや今宵満月朧なる
森崎 富貴
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花疲熱きコーヒーほろ苦き
吉田 新子
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シクラメン鏡の中もシクラメン
川部 義明
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葉蔭より身を乗り出せる八重椿
佐々木 弘
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石佛に一枝の花供へけり
仲島 信
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生り年と思ふ華やぎ花杏
黒澤三主寿
竹の子会
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山の家足を取られて春の土
苅野 玲子
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「だんだん」と喋る自販機うららかや
渡辺 幸江
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古草の古戦場跡静けさや
千葉ゆり子
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古草やほったらかしの鉢の中
安達久美子
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散りかけて散らずにをりぬ花並木
苅野 節子
わかみどり会
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香水のほのかな人と擦れ違ふ
清水 悠子
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蕗を煮るだけの大鍋捨てがたく
畑山 則子
ミモザ会
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夏草や姉と遊びし千曲川
佐々木巴里
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滴りの留まることを許されず
三国 紀子
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鉄線の棘にもからみ浜昼顔
石橋万喜子
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雨上がり濡れて色増す花しょうぶ
池田 重子
8月号
一般投句
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新緑の古都の香りの孫みやげ
富所 敬子
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雨そぼちなほ健気なる破れ傘
戸田 徳子
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水車小屋背にして並び花菖蒲
滝口 智子
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公園に遊ぶ子もなく梅雨に入る
村田エイ子
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むらさきのお花のかげにかたつむり
森丘 裕子
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スカートの色うすみどり夏はじめ
きりいのぞみ
向原喜楽会・不動会
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新聞の兜かぶりて柏餠
安藤 虎雄
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いつまでも生きる気がする若葉風
小澤孝ん子
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江戸っ子の遊びごころの祭足袋
柴崎 英子
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水郷の嫁入り舟に風薫る
武井 康子
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日本橋界隈に江戸若葉風
飯田久美子
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少年の傷日毎癒ゆ若葉風
久保田光江
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一寸の間セレブな気分ジャスミン咲く
鈴木恵美子
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径狭め空を狭めて森若葉
笹島美和子
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捨てられぬ細身のドレス更衣
廣門登喜子
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セルを着し母の姿を懐かしむ
森崎 富貴
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歌舞伎座のxbＩ�落としに更衣� 吉田 新子
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夕風に泳ぎはじめし五月鯉
川部 義明
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音信の途絶えし友か星朧
佐々木 弘
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百年の欅は日除風を呼ぶ
仲島 信
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奔流に挑めるカヌー峡薄暑
黒澤三主寿
竹の子会
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香りより味わひ深き古茶であり
苅野 玲子
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夫の彫る観音像や新樹光
渡辺 幸江
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愛用の夫婦茶碗も古茶の色
千葉ゆり子
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廃屋に覆ひ被さる新樹かな
安達久美子
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芍薬を愛でて老師の庵かな
苅野 節子
わかみどり会
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涼しさや母の形見のネックレス
清水 悠子
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流木のほどよき椅子や夏の浜
畑山 則子
ミモザ会
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夕映や木曾路みやげの釣忍
佐々木巴里
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半夏生見事化粧を終えてをる
三国 紀子
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星月夜浜辺に砂のピラミッド
石橋万喜子
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虫干しで想ひ出さるゝ縞結城
池田 重子
9月号
一般投句
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朝に咲き夕べに閉じる木槿かな
富所 敬子
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赤富士や虚空染めゆく神の業
戸田 徳子
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まさかとは思ひをりしが熱中症
滝口 智子
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遥かなる子等今いかに天の川
村田エイ子
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くさむらにほたるかがやくやみがある
桐井 希海
向原喜楽会・不動会
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古傷が梅雨入り間近を教へけり
安藤 虎雄
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十薬のさかり過ぎたるあわれさよ
小澤孝ん子
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雨粒の大粒小粒走り梅雨
柴崎 英子
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ジャズの音流るゝ夜のアマリリス
武井 康子
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十薬のお茶となる日を軒先に
飯田久美子
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梅雨入りやヘリコプターの低き音
久保田光江
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子鴉がとことこぴょんと歩きをり
鈴木恵美子
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音なさぬ流れのありて糸とんぼ
笹島美和子
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散策や新緑に来て深呼吸
廣門登喜子
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目覚めては探す夜中の夏布団
森崎 富貴
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万緑の谷底に在り平家村
吉田 新子
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あやめ舟乗ってみたいなかの人と
川部 義明
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古寺の山門埋む七変化
仲島 信
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着陸す青田のパッチワーク中
黒澤三主寿
竹の子会
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一面のここは津軽路花りんご
苅野 玲子
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名刹に風吹きわたり若楓
渡辺 幸江
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かっこうの声高らかに津軽富士
千葉ゆり子
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楼門の朱を引き立てゝ若楓
安達久美子
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葉桜を従へ聳ゆ弘前城
苅野 節子
わかみどり会
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片蔭に野良猫達のたはむれて
清水 悠子
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海からの風通る路地夕端居
畑山 則子
ミモザ会
-
帰宅まづ月下美人にむかへらる
佐々木巴里
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かばかりの田にも案山子の威厳かな
三国 紀子
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手のひらに額に月かげ盆踊
石橋万喜子
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想ふ人十六夜月に語りかけ
池田 重子
10月号
一般投句
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簾越し白き花置く座敷かな
富所 敬子
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夕闇の稲穂のうねり昂れり
戸田 徳子
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秋光に姿まばゆき富士の山
滝口 智子
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生きのびし戸惑ひもあり夏の雲
村田エイ子
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ひまわりの外はたいよう中は月
桐井 希海
向原喜楽会・不動会
-
顔かくし心も隠すサングラス
安藤 虎雄
-
サングラスぺちゃ鼻すべり落ちにけり
小澤孝ん子
-
本日休診先生のサングラス
柴崎 英子
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すひ込まれさう万緑の湖しづか
武井 康子
-
サングラスかけて口調の強くなる
飯田久美子
-
フィリピンにも螢飛ぶ夜のありにけり
久保田光江
-
靴底もとけるが如き極暑かな
鈴木恵美子
-
通りぬけ許される路地釣忍
笹島美和子
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朝顔や野にあれば花小さくて
廣門登喜子
-
江戸会館かっぽれ揃ひ浴衣着て
森崎 富貴
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一院のおほかた散りぬ沙羅の花
吉田 新子
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まだ暗き森の奥より蝉しぐれ
川部 義明
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緞帳のこざっぱりとし夏芝居
仲島 信
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サングラス外して道をたづねけり
黒澤三主寿
竹の子会
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白靴を出してはみしが雨模様
苅野 玲子
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馬の足跣の目立つ村芝居
渡辺 幸江
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ままごとにいとも小さき桜の実
千葉ゆり子
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バスを待つ列片陰に移りけり
安達久美子
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赤み増す葉擦れの中の桜の実
苅野 節子
わかみどり会
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張替へし網戸の内の笑ひ声
清水 悠子
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手花火の匂へる路地を通りけり
畑山 則子
ミモザ会
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駅からは夜道となりて虫の越え
佐々木巴里
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風音に攫はれつつも虫鳴けり
三国 紀子
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桔梗活く白磁の艶を掌につつみ
石橋万喜子
11月号
一般投句
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オリンピック招致猛暑のご褒美か
富所 敬子
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明け暮れの風のかそけし秋の情
戸田 徳子
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かぞく五人ばん夏の旅の大阪城
桐井 希海
向原喜楽会・不動会
-
一仕事終り一服夏深し
安藤 虎雄
-
盆詣同窓会へ流れけり
小澤孝ん子
-
踏まれゆく砂のトンネル海晩夏
柴崎 英子
-
方言のやたら飛び出す盆がへり
武井 康子
-
忘れある晩夏の浜のゴム草履
飯田久美子
-
すさまじき雷雨車道を河となす
鈴木恵美子
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膝の上大きく占めて夏帽子
笹島美和子
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土つけて探りとりたる花茗荷
廣門登喜子
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夏休み教はりながらお手伝ひ
森崎 富貴
-
星祭麻布の坂に大使館
吉田 新子
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盆詣兄に供へし一句かな
川部 義明
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赤とんぼ朝の運河を染めにけり
仲島 信
-
職退きて朝顔の世話係かな
黒澤三主寿
竹の子会
-
庭隅に咲きあふれたる凌霄花
苅野 玲子
-
早起きすうさぎ当番夏休
渡辺 幸江
-
凌霄の花の先まで勢ひあり
千葉ゆり子
-
電線に届く焔や凌霄花
安達久美子
-
凌霄の花房ゆれる曲り角
苅野 節子
わかみどり会
-
野良猫に餌をやる闇や虫の声
清水 悠子
-
短夜や眼鏡をかけしまゝ眠り
畑山 則子
ミモザ会
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まだ蕾ある枯菊を括りけり
佐々木巴里
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青きまゝ落ちて木の実のはづみけり
三国 紀子
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波音のとどかぬところ返り花
石橋万喜子
12月号
一般投句
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運動会ガッツポーズに笑み返し
富所 敬子
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大和路の風のまろさや吊し柿
戸田 徳子
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さらさらと高原の風秋桜
桐井 希海
向原喜楽会・不動会
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子どもらは萩のトンネル汽車ごっこ
安藤 虎雄
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雨月空東儀の笛の渡りゆく
小澤孝ん子
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藤袴群れて寂しや古戦場
柴崎 英子
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川風にゆられし色の藤袴
武井 康子
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藤袴剪りて抱きし香りごと
飯田久美子
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デンバーの和食の店も茸汁
久保田光江
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嵐去る下界を照らす月明り
鈴木恵美子
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萩括ることより庭の手入れかな
笹島美和子
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思い出のかの日あの時月見船
廣門登喜子
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灼熱の一日を終る葉鶏頭
森崎 富貴
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名月を見よと人呼ぶ二階より
吉田 新子
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月光の届かぬ先の祠かな
川部 義明
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名月やここは伊達藩屋敷跡
仲島 信
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思ひきり紫陽花を剪り秋を待つ
藤田 静枝
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制服にワンポイントの赤い羽根
黒澤三主寿
竹の子会
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田の色を変へて出揃ふ稲穂かな
苅野 玲子
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山住みのお茶っこタイム葛の花
渡辺 幸江
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合唱す子供等の声蝉の声
千葉ゆり子
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爽やかな風朝礼の列を縫ひ
安達久美子
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どの駅もカンナの咲いてゐた昔
苅野 節子
わかみどり会
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旧館を覆ひ尽して蔦紅葉
清水 悠子
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返事すぐ書きたき便り秋の夜半
畑山 則子
ミモザ会
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冬耕といへどわが家のハーブ畑
佐々木巴里
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ほころぶは一花お会式桜かな
三国 紀子
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葉脈の武骨にのこる朴落葉
石橋万喜子